• 8月7日大引け後に第2四半期(4-6月期)決算報告発表
  • 予想売上高:2億2386万ドル
  • 予想EPS:-0.23ドル

高利回りの銘柄を求める投資家にとって、ロク (NASDAQ:ROKU)は間違いなく魅力的な銘柄だと言えるだろう。同社株は年初来223%上昇しており、貿易摩擦、低迷する世界経済、ハイテクセクターにおける高いボラティリティをものともしない成長を見せている。

しかし7日に発表される同社の第2四半期(4-6月期)決算報告は同社にとって逆風となるかもしれない。現在同社株は3日続落となっており、2日は0.31%安の100.53ドルで終値を迎えた。

ロクは現在、予想EPSが-0.23ドル、予想売上高が43%以上の上昇となる約2億2400万ドルとなっている。2017年に株式を公開した同社は、テレビでの動画ストリーミングを可能とするサービスを提供している。また自身の提供するロク・チャンネルでは広告事業を運営しており、各々の視聴者に合わせた広告の提供を実現するサービスも行っている。

ここ数年で、ロクはハイテク企業として爆発的な成長を遂げてきた。特定の機種のテレビには同社のサービスがあらかじめ内蔵されており、ブルームバーグのデータによれば、アマゾンで売上トップ20に入るテレビのうち、10機種がロク内蔵型のテレビだという。これらの収益だけでなく、同社は様々な番組を無料で配信しているロク・チャンネルにおける広告事業からもまた利益を得ている。

主な押し上げ要因

ロクの主な押し上げ要因は大手メディアにある。ウォルト・ディズニー (NYSE:DIS)とAT&T(NYSE:T)は新たにストリーミングサービスを開始する予定で、このことがロクの製品やサービスに対する需要を高める可能性がある。

2017年の株式公開以降、同社株のボラティリティは未だ高いままである。2018年初めの9ヶ月で同社株は40%も上昇したものの、その後の3ヶ月で同程度反落した。そして2019年、同社の時価総額は3倍以上に膨れ上がり、他のハイテク銘柄を軒並みアウトパフォームしている。

同社株の上昇は目覚ましいものの、我々は慎重になる必要がある。同社株は現在、売上高の約14倍で取引されている。同じハイテク銘柄のアマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN)が3.5倍、アップル (NASDAQ:AAPL)が3.56倍で取引されていることを踏まえると、この数値は非常に高いと言える。

こうした懸念を受けRBCキャピタルマーケッツは7月、同社の今年の急成長後のバリュエーションに関し「魅力的ではなくなった」と評価し、同社に対する投資判断を引き下げた。

ブルームバーグのデータによれば、7人のアナリストが同社株の買いを推奨し、他7人のアナリストがホールドを推奨しているという。一方2社が売りを推奨しており、目標価格は16%安の84ドルとなっている。

総括

ロクのビジネスモデルに大きな問題はない。従来のテレビ放送から動画ストリーミングサービスに人々が移行する中で、同社はまだまだ成長の余地を残している。

そうはいっても同社株は短期的に見ると脆弱であり、特に決算報告を控える時期は変動が激しくなる傾向がある。過去4回の決算報告でいずれも20%以上の変動を見せていることを踏まえると、同社株の買いは控えるのが賢明だろう。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル