2019年9月12日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米ドル/円は、米中の対立緩和を示唆する報道が続く中、6週間ぶりに108円台を回復。このところ、米ドル/円の上昇をリードしてきた米10年債利回りは、本日12日(木)の時間外取引で節目の1.75%を超えてきた。このまま利回り上昇が続けば、米ドル/円も108円台半ば(年初来高安の半値水準が108.42円)へ続伸するだろう。ただ、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25bp(0.25%)の利下げが決まれば米政策金利は1.75~2.00%となる。米10年債利回りの上昇が1.75%を超えてもなお続くかどうかは、FOMCの追加利下げスタンス次第であろう。つまり、ここからは来週のFOMCを睨んだ動きになりやすいと見ており、その意味では米ドル/円も「上昇一服」がメインシナリオとなりそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日12日(木)については欧州中銀(ECB)の決定に注目したい。市場は、政策金利の10bp(0.10%)引き下げとフォワードガイダンスの強化(金融緩和の長期化に向けた指針)を確実視しているが、量的緩和(QE)の再開については見方が分かれている。ECBがどこまで追加緩和に踏み込むかによって、ユーロの反応は強弱様々なケースが考えられる。また、ECBの決定を受けた独・仏長期金利の反応は、米長期金利の動きにも影響を及ぼす可能性が高い。結果的に、ユーロ/円の動きが米ドル/円にも波及しやすいと考えられる。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。