2019年9月25日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日24日(火)トランプ米大統領は国連総会の演説でイラクや中国を批判したことで中東地政学リスクは拡大し、米中通商協議の進展期待も剥落する結果となった。また、トランプ氏はウクライナの大統領にバイデン元副大統領の息子の疑惑調査をするように圧力をかけ、さらには軍事協力をするとの見返りを与えた疑惑で前任のバイデン米副大統領は「トランプ米大統領が文書請求に応じなければ弾劾を支持する」との考えを表明した。さらにペロシ米下院議長も大統領弾劾調査を開始するとの報道が入るとドル売り、円買いが加速して米ドル/円は一時107円を割れるなど今月9日以来の安値を更新している。一方、ドルが売られたことでユーロ/米ドルは1.1000ドルまで回復する展開となっているが、一昨日23日(月)に発表されたドイツの製造業PMIが10年ぶりの低水準となっていることからわかるようにユーロの地合いも決して良くはない。マーケットは全体的にリスクオフに傾いている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今回のウクライナ疑惑でトランプ米大統領の弾劾調査がどのように進展していくかは不透明だが、記憶に新しいロシア疑惑の捜査ではトランプ氏とロシアの共謀は認定されなかった前例があり、過度に反応するのは危険かもしれない。しかし、ドルを積極的に買っていける材料でもないので、米議会で大統領の弾劾が意識されれば局地的にドルは売られる可能性が高い。戦略として米ドル/円は戻りを狙っていくことになるだろう。なお、今回の疑惑で問題となっているウクライナの大統領との、電話会談記録をトランプ氏は本日25日(水)公表するとしており、NY時間はヘッドラインに注視しておきたい。また、ユーロ/米ドルも戻りがあれば売っていきたい局面だ。現在は1.1000ドル付近で方向感が定まっていないが、ドイツをはじめ足元の景況感を見る限り欧州経済の地合いの悪さは間違いなく、テクニカル面でも6月25日からの下落トレンドは健在で徐々に上値を切り下げていくように思える。明日26日(木)にかけて1.1000ドルに厚めのオプションカットが控えており、動きは出にくいが、1.10ドルミドル付近まで跳ねるようであれば売っていきたい。下値のターゲットは9月3日安値の1.0926ドルとしたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。