帝国データバンク
(画像=PIXTA)

「女性管理職10%未満」82.8%、全国を上回る
~ 女性従業員割合「30%以上」は27.9%、全国を下回る ~

はじめに

生産年齢人口の減少や共働き世帯の増加を背景として職場における女性の存在感が高まるなか、政府は女性の活躍促進を政策の重要な柱として掲げている。女性の労働への参画は人手不足に対する労働力確保だけでなく、企業における新たな視点の導入や男性の働き方改革としても位置付けられている。他方、女性が労働に参画するうえで多くの課題がいまだ解決されていないのも実情である。

帝国データバンク名古屋支店は、女性登用に対する愛知県企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年7月調査とともに行った。

■調査期間は2019年7月18日~31日、調査対象は愛知県に本社を置く企業1436社で有効回答企業数は573社(回答率39.9%)、全国は2万3650社で、有効回答企業数は1万91社(回答率42.7%)。なお、女性登用に関する調査は、2013年以降、毎年7月に実施しており、今回で7回目。

調査結果

1 女性管理職が「10%に満たない」と回答した愛知県企業は82.8%、全国(77.2%)を5.6ポイント上回った。大都市圏では、東京は73.8%、大阪は77.6%。東海地区では岐阜が80.7%、三重が80.7%、静岡が80.4%。また、従業員全体の女性割合では、「30%以上」が27.9%で全国(30.2%)を2.3ポイント下回っている。大都市圏では、東京は32.8%、大阪は31.0%。東海地区では岐阜が27.4%、三重は33.0%、静岡は28.4%。愛知県企業の女性登用の進捗は遅々としていることが判明した。

2 女性管理職の割合を業界別でみると、『不動産』(31.1%)、『小売』(13.8%)で高く、『運輸・倉庫』(2.0%)、『製造』(3.4%)で低かった。

3 今後、自社の女性管理職の割合が「増加する」と見込んでいる愛知県企業は25.5%(全国は23.6%)。また、女性役員の割合が「増加する」と見込んでいる愛知県企業は7.5%(同7.6%)にとどまっている。

4 女性活用や登用について、「社内人材の活用・登用を進めている」企業は42.8%となる一方、「社外からの活用・登用を進めている」企業は11.2%だった。その効果は、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が64.7%で過半数を超え、最多となった。