従業員・管理職・役員の女性割合、全てで全国を上回る
~ 社内外問わず女性の活用・登用を進めている企業は6割を超え全国でトップ ~
はじめに
生産年齢人口の減少や共働き世帯の増加などもあり、職場における女性の存在感が高まるなか、政府は女性の活躍促進を政策の重要な柱として掲げている。女性の労働への参画は、人手不足に対する労働力確保だけでなく、企業における新たな視点の導入や男性の働き方改革としても位置付けられている。他方、女性が労働に参画するうえで、多くの課題がいまだ解決されていないのも実情である。
そこで、帝国データバンク奈良支店は、女性登用に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年7月調査とともに行った。
■調査期間は2019年7月18日~7月31日、調査対象は149社で、有効回答企業数は51社(回答率34.2%)。
■本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com)に掲載している。
調査結果
1 女性管理職の割合は平均8.5%と前年比0.4ポイント上昇。他方、女性管理職がいない企業は56.9%で依然として6割近くにのぼるが、女性管理職の割合は拡大傾向にある。また、女性従業員の割合は平均28.3%で同2.4ポイント上昇に対し、女性役員の割合は平均11.1%で同0.9ポイント低下したが、従業員・管理職・役員における女性割合の平均は全てで全国を上回り、従業員・管理職では近畿地区でトップとなった
2 今後、女性管理職の割合が増えると見込んでいる企業は25.5%。また、今後女性役員の割合が増えると見込んでいる企業は9.8%だった
3 社内外を問わず女性の活用・登用を進めている企業は62.7%で全国トップ。その効果は、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」(68.8%)が約7割となり、突出して高い。以下、「女性の労働観が変化してきた」(25.0%)、「現状の人材不足に対応できた」(25.0%)が並んで上位となった
4 女性の活躍を促進するために重視する項目は、女性の家庭における負担軽減に関する項目が上位となり、「妊娠・出産・子育て支援の充実」(80.4%)が8割超でトップ。次いで、待機児童や保育士不足の解消などの「保育サービスの充実」(62.7%)、育休復帰支援などの「仕事と子育ての両立支援」(62.7%)が並んだ