市場は米中貿易戦争の不確実性の影響下のままであり、すぐに解決する見込みはないと言えるだろう。

また、米下院はトランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡り弾劾調査を開始すると正式に発表し、米国株式市場はさらなる不確実性により売り圧力を受けている。

このようなマクロ環境下で、今週値動きがありそうな3銘柄を紹介する。

1. ペプシコ

スナック/飲料メーカーのペプシコ(NASDAQ:PEP)は、10月3日(木)の寄付き前に第3四半期(7-9月期)決算報告を行う。市場予想では、売上高が169.3億ドル、EPSは1.5ドルとなる見通しである。

PEP 週足 TTM
(画像=Investing.com)

今回の決算報告では、ペプシコの強い需要の回復が見込まれ、売上高の伸びが期待されている。前四半期では、ゲームに集中を高めるためカフェインが多く含まれるゲーマー向けドリンクが売上に大きく貢献していた。

このポジティブな収益サプライズによって、過去一年間でペプシコ株はライバルをアウトパフォームして上昇している。先週金曜日では、ペプシコ株の終値は135.60ドルとなり、年初来では20%以上の上昇となっている。

2. コストコ・ホールセール(NASDAQ:COST)

米小売大手コストコ・ホールセール(NASDAQ:COST)は10月3日(木)の引け後に第4四半期(6-8月期)決算を発表する。

市場予想では、売上高474.8億ドル、EPS2.54ドルとなっている。

COST 週足 TTM
(画像=Investing.com)

一部の小売業大手が見せた軟調な業績とは違い、コストコは堅調な決算を発表する公算が高い。コストコは8月の既存店売上高は好調であり、アナリストの予想を上回っていた。

米中貿易戦争で中国からの輸入品に対して関税リスクがある中、コストコの業績見通しに注目が集まるだろう。

最近の米国の経済指標では、米国経済の成長は鈍化しつつあることが窺える。景気減速が続く場合は、消費者心理の悪化が招かれることが懸念される。

しかしながら、コストコは投資家に非常に好まれる銘柄であることには変わりないだろう。先週金曜日の終値は285.95ドルとなり、年初来では40%の上昇となっている。

3. アリババ(NYSE:BABA)

米メディアは27日、トランプ政権は中国企業のIPO規制や米国からの金融氏欧への投資制限を検討していると報道し、同日のアリババ株は▲5.15%下落した。しかし、29日にはこのような計画は現段階ではないと否定している。

BABA 週足 TTM
(画像=Investing.com)

報道によって下落したアリババは、米中貿易協議で良い進展がない限り、今後数週間も弱含む可能性があるだろう。

この報道は、10月に始まる中国との貿易協議を前にした米国政府の外交戦術と捉えることができる。この影響を受けるアリババのような株は、良い押し目買いの機会になる可能性がある。先週金曜日の終値は165.98ドルであり、年初来では19%の上昇となっている。(提供:Investing.comより)

著者: ハリス アンワル