今週にも米中貿易協議の再開が待望されているなか、投資家にとってこれ以上に重要な材料はないだろう。米国と中国の閣僚級の貿易協議は、10日からワシントンで開かれる。クドロー米国家経済会議委員長は4日、この会談から「ポジティブサプライズ」が起こる可能性があると述べている。

貿易協議の他に、今後の政策金利への洞察を与える米国の経済指標にも注目されているだろう。

貿易協議と政策金利が現在の2大市場テーマである中で、以下に今週に大きく値動きすることが予想される3銘柄を紹介する。

1. アップル

アップル株は近年の夏の安定的な上昇の後で、新しいiPhoneの需要に対し楽観ムードが広がっており、最高値である229.28ドルに差し迫っている。

AAPL 週足 TTM
(画像=Investing.com)

アップル株の先週金曜日の終値は227.01ドルとなり、S&P500の情報通信セクターの中でもアウトパフォームしている。同株は、8月の底値から18%の上昇であり、1月の底値からは60%上昇している。

ティム・クックCEOによる9月30日付のドイツ紙「ビルド」でのコメントによって楽観的な向きが多くなっている。同氏はiPhone 11の売上は「とても良いスタートを切っており」、同製品の発売に関して「これ以上にない喜び」であると述べている。

アップルの売上の約6割を占めるiPhoneの売上が好調な見込みや、動画サービス事業のローンチなど収益面の多様化を図る同社は、このような好材料の上で株価は最高値に向かっている。

2. デルタ航空

デルタ航空は第3四半期(7-9月期)決算を10月10日に発表する。市場予想では、売上126億ドル、EPSは2.26ドルとなっている。

DAL Weekly TTM
(画像=Investing.com)

現在米国の航空3社の中で最も収益性が高いデルタ航空は、エド・バスティアンCEOのもと事業を拡大している。デルタ航空は9月26日、中南米最大手のLatam航空グループの株式の20%を取得したことを発表し、戦略的提携を結んでいる。

バスティアンCEOはブルームバーグのインタビューで「デルタ航空は今年の時点で、5年連続50億ドルの利益を達成する予定である」とし、「また、今年も40億ドル以上のフリーキャッシュフローがあり、この継続的なパフォーマンスは誇らしいものであると考えている」と述べた。

これらの追い風はまだ、デルタ株を押し上げる要因には繋がってはいない。世界経済後退や貿易戦争への懸念によって過去3ヶ月では9%の下落となっており、改善しない限り売り圧力となり続けるだろう。先週金曜日のデルタ株の終値は1.8%高の53.81ドルとなっている。

3. エクソンモービル

モザンビーク政府が先週末に、エクソンモービルによる330億ドルにも及ぶ設備投資は最終決定したと発表し、今週にもその影響はエクソンモービル株に反映されるだろう。これはアフリカのエネルギー開発で過去最大のプロジェクトである。

モザンビーク共和国の鉱物資源エネルギー省は5日、この決定を記念する式典が10月8日に首都マプトで開催されると述べている。

XOM 週足 TTM
(画像=Investing.com)

この年間1520万トンのガス液化および輸出プロジェクトは、フランスのエネルギー大手のTotal(NYSE:TOT)が近くに建設しているプロジェクトよりもさらに大きいものとなっている。

競合他社はコスト削減などの戦略を試みている中、一方でエクソンモービルは巨額の設備投資を行っていることが顕著である。エクソンモービルの株価は先週金曜日の終値は1.46%高で、68.97ドルとなった。過去3ヶ月では約10%の下落となっている。(提供:Investing.comより)

著者: ハリス アンワル