業界天気「曇り」予想が最多、米中貿易摩擦の影響も
~ 回復局面から一転、「工作機械」などは「曇り」へ悪化 ~
はじめに
2019年度上半期の国内景気は、総じて悪化傾向が鮮明となっている。帝国データバンクが調査した国内の景気指標(景気DI)はこれまでの回復基調から一転し、「足踏み」傾向が続いている。今後も製造業を中心に国内景気は弱含むとみられ、各業界では先行きに警戒感を強めている。
帝国データバンクでは、100業界197分野の業界動向について、最新の2019年度における業界天気を予想し、展望とポイントをまとめた。
■TDB業界天気図:企業業績や各種統計データ、業界ニュースなどから、各業界・分野の展望を7段階の天気図を用いて帝国データバンクが総合的に判断した
調査結果
1 100業界197分野の2019年度の業界展望は、「晴天」と予想される分野が84分野(前年度比3分野減)、「雨天」と予想される分野が41分野(増減なし)。天気の改善・悪化状況は、「改善」が9分野(前年度比18分野減)、「悪化」が14分野(同4分野減)となる見込みで、「悪化」が「改善」を3年ぶりに上回る見通し。また、「改善」分野は、集計比較が可能な1999年度以降で最少となる。
2 天気図の改善・悪化を指数化したTDB業況インデックス(DI)は、2019年度予想は48.7と予想、2019年2月時点(49.0)から0.3ポイント低下を見込む。また、製造業のTDB業況インデックス(DI)は48.1、非製造業は49.2で、いずれも判断基準の50を割り込む予想。