カレーチェーン「CoCo壱番屋」を運営する壱番屋が、2020年2月期の第2四半期連結決算を発表した。純利益は前年同期比20.1%増と好調で、メニュー値上げが効を奏し、海外事業も堅調だった。本場インドへの進出を前に壱番屋に順風が吹いている。

売上の伸びも維持、純利益は19億900万円に

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(画像=StreetVJ/Shutterstock.com)

壱番屋の2020年2月期の第2四半期連結決算(2019年3月1日〜8月31日)では、売上高は前年同期比3.5%増の256億7,900万円、営業利益は同27.0%増の29億9,700万円、経常利益は同24.6%増の30億9,400万円となっており、純利益は同20.1%増の19億900万円を記録した。

増加傾向が続いている売上高の伸びを維持した上で大きな純利益を残せる形となり、壱番屋の半期業績としてはここ数年の中で特に好調に推移したといっていいだろう。ここ3年の第2四半期の連結業績における純利益は、16億7,100万円、15億9,000万円、そして今回の19億900万円となっている。

2020年2月期の通期業績の予測は直近の発表から修正しておらず、売上高が同2.2%増の51億3,000万円、営業利益が同4.2%増の46億3,000万円、経常利益が同3.9%増の48億4,000万円と目標をそれぞれ設定しており、純利益も同9.0%増の30億4,000万円に着地させる計画だ。

カレー値上げ、さらにはメニュー開発にも注目

壱番屋は現在、既存店における売上の強化を事業展開の最重要事項に据えている。売上増に向けた取り組みの一環として、CoCo壱番屋の「ポークカレー」などの価格の値上げを行ったほか、新メニューや期間限定メニューの開発にも力を入れた。

決算発表の資料によれば、期間限定メニューの「手仕込とん勝つカレー」は3カ月間で204万食を販売し、同社は「出数が好調に推移した」と説明している。また前年から展開を開始した「スパイスカレー」も半年で244万食を販売し、同社は同メニューが客から一定の支持を得ていることに対して手応えを感じているようだ。

新たな顧客層の開発にも力を入れるため、テレビCMやコラボキャンペーンなども積極的に展開している。同社は6月からダイエットメニューとして、糖質量を5分の1(ご飯200グラムのカレーライスとの比較)に抑えた「低糖質カレー」も展開しており、女性客や健康志向の客などの取り込みに余念がない。

気になるインド進出、新たな海外事業の柱に

海外事業として展開する国外のCoCo壱番屋については、今年6月に三井物産の海外拠点の一つであるアジア・大洋州三井物産とともにインドで現地法人を設立し、現在は出店に向けた準備を進めている状況だ。三井物産の報道発表によれば、2020年初頭にデリーの首都圏で1号店の開店を目指しているという。

壱番屋は現在、中国や韓国、タイ、台湾、香港など東アジアと東南アジアを中心に展開に力を入れており、そのほかの国・地域を含め、海外での総店舗数は12カ国で182店舗に上る。今回の決算発表では新たに店舗が10店舗純増したことも説明されている。

こうした中、現在は人口世界2位のインドにおける展開が成功すれば、海外事業の新たな柱をなりえることが期待される。インドの人口は2027年ごろには中国を抜いて世界1位になるという予測もあり、さらには中間所得者層の増加も見込まれている。同社の株主にとってはインド事業の成否は非常に関心が高いトピックスになっている。

攻めの姿勢を崩さない壱番屋

メニューの価格改定による値上げや新商品の開発、新たな顧客層の開拓、そしてカレーの本場インドへの進出など、攻めの姿勢を崩さない壱番屋。いまの好調ぶりを維持し、さらなる成長に向けた足場作りも固められるか、注目が集まる。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

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