2019年10月15日14時過ぎに志摩力男さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
先週は、米中貿易交渉において「暫定合意」が行われた。基本的には中国が米国産の穀物を大量に買い、米国が本日15日(火)に予定していた関税の引き上げを、先送りしたという内容。包括的な合意には程遠いが、ここでわかるのはトランプ米大統領は関税を引き上げることはあまり本意ではないということだ。米国経済に対する影響に懸念を抱いており、全ては来年2020年の米大統領選挙に向けて、より当選確率が上がる方向、そしてより公約を守る方向に動くため、ここから問題をヒートアップさせることは考えづらい。よって現在はスケールの小さな合意内容ながら、市場的にはリスクオン的な流れとなっている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の注目は何といっても17日(木)、18日(金)に行われるEU首脳会談だ。ジョンソン英首相の新しい提案に対してバラッカーアイルランド首相が非常に好意的に反応し、トゥスクEU大統領も同様。ただ、バルニエ仏主席交渉官は、まだ税務管理のところで穴があるためこれで終わりというわけではないというスタンス。しかしながら、内容に少々穴はあるかもしれないが、長い間この交渉が続いてきた中で、ようやく実現可能なプランらしきものがみえてきた。そのため、何としてでも実現したいという首脳の意思が働きやすいのではないだろうか。つまり今回、「ジョンソン提案」で合意に至るのではないかと想定している。そうなると、かなりポンドがポジティブとなり、英ポンド/米ドルで1.30ドル、英ポンド/円で140円という道筋がみえてくる。そして米中の合意のあった米ドル/円もじり高で109円方向を想定。リスク要因としては、対トルコ経済制裁だが、非常に強いものでもないため、さほど注視しなくてもいいだろう。
志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍する。志摩力男の実践リアルトレード
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。