2019年10月16日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日15日(火)は英国とEUの離脱案合意報道をきっかけにマーケットはリスクオン。英ポンド/円は139.30円付近まで上昇、米ドル/円も連れて108.90円付近まで上値を拡大している。本日16日(水)も、明日17日(木)と明後日18日(金)に開催されるEU首脳会議を控えてブレグジットに関連する要人発言に大きく振らされる展開だろう。また、米中通商協議も米国側では中国が米国産農産品を500億ドル相当購入するとの報道が出ている中、一方では中国側で米国に対する報復関税を維持する限り、年間500億ドル相当の米国産農産物の購入は難しいとの報道もあり、楽観はできない状況だろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

英ポンド/円はヘッドラインに振らされることになるが、マーケットは明日17日(木)、明後日18日(金)のEU首脳会議で合意がまとまるのではないかとの期待感が優勢だ。時間がないといった問題点はあるが「合意なき離脱」の可能性が剥落している状況下でポンドは押し目買いが有効だろう。ただし、今年5月以来の高値水準まで急ピッチで上昇している状況であることから、期待感が後退した場合の急落も頭に入れておきたい。一方、米ドル/円も今月末、10月30日(水)のFOMCを控えて本日16日(水)の米小売売上高には注目が集まる。FOMCまでに発表される米重要指標は少なく、米小売売上高の結果は利下げの有無を決める材料として注目度は高い。また、本日16日(水)は複数のFOMCメンバー発言も予定されており、ブラックアウト期間(政策決定に関与する者の発言を禁じる期間)を来週に控えて利下げをめぐる温度感のヒントを探ることとなる。CMEのFedWatchが示す次回FOMCでの政策金利に対する市場の期待度は0.25%引き下げが約73%、据え置きが約27%となっており、現在のところ連続利下げを織り込みつつあるが、本日16日(水)の結果や発言次第では大きく変わってくるだけに注視したいところだ。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。