今週は米国企業の決算が盛りだくさんである。決算シーズンに入り現在のところ、明らかに業績が悪いという兆候はみられていない。先週金曜日では、この順調な決算を背景に米国の3つの主要インデックスであるS&P 500、Dow Jones、NASDAQは、7月につけた史上最高値まで3%に迫っている。
これは米中貿易戦争による景気後退への懸念にもかかわらず、米国株式市場の力強さを示している。米国企業が引き続きコンセンサス予想を上回る好調で、米国と中国の貿易協議が合意に近づくとなれば、マーケットの楽観視は加速し株価の上昇は加速する可能性がる。
以下は今週に決算発表があり、米国企業の力強さを測ることになる3企業である。
1. マクドナルド
米ファストフードチェーン大手マクドナルド (NYSE:MCD)は、10月22日(火)の寄り付き前に第3四半期決算(7-9月期)を発表する。
アナリストのコンセンサス予想によると、同社は売上高54億9000万ドル、EPSを2.21ドルとしている。
マクドナルド株は過去一年間では力強い上昇となり、現在ではピークを打った兆候を見せている。先週の終値は208.50ドルとなり、過去3ヶ月では、買いが入らず下落トレンドとなっていた。
株価は低調であるが、最近の決算内容は同社のテクノロジーを使った事業戦略が功を奏していることが窺える。第2四半期(4-6月期)のグローバルでの売上では、過去7年間で最高となっていた。
McMuffinなどの朝食メニューの常時メニュー化、ドーナツスティックなどの新製品などの事業戦略は、顧客を呼び戻すことに成功している。新しいテクノロジーへの投資が成長を加速させる一方で、店舗の顧客増加に成功していることを示し続ければ、シェアを再び拡大させる可能性があるだろう。
2. インテル
世界最大の半導体メーカーであるインテル (NASDAQ:INTC)も10月24日(木)の引け後に第3四半期決算(7-9月期)を発表する。コンセンサス予想では、売上高182億ドル、EPS1.23ドルとなっている。
前回の決算では、売上高とEPSどちらも市場予想を上回る結果となり、米中貿易戦争中にもかかわらず、今回の決算予想でも楽観的な向きが多い。第2四半期では、パソコンの需要や、サーバー用の高価格半導体の売上が好調であった。
投資家は第3四半期でも売上が安定的に伸びることを期待し、また今年後半の業績見通しでも明るい見通しであることを切望しているだろう。
インテル株の先週金曜日の終値は51.36ドルとなり、米中貿易戦争の影響が懸念される中で、今年S&P500と比べアンダーパフォームしている。今回の決算で、この米中貿易戦争などの懸念が晴れる可能性は十分にあるだろう。
3. フォード
米大手自動車メーカーのフォード・モーター (NYSE:F)は、10月23日(水)の引け後に第3四半期決算発表(7-9月期)が予定されている。コンセンサス予想では、売上高は368.6億ドル、EPS0.26ドルとなっている。
過去数年間は、フォードにとって厳しい年であった。堅調な世界経済と消費者需要に支えられた長年の売上増加の後、フォードは現在強力な逆風に直面している。
昨年ではセダン車の需要が減速し、純利益が半減した後、110億ドル規模のリストラ計画を発表している。
この事業戦略は、何千人もの給与の削減、海外工場の閉鎖、電気自動車や無人車の製造能力の構築が含まれる。
フォードがこの計画を実施すると、株価は7月中旬以来10ドル以下で取引され下押し圧力を受け続けている。先週金曜日の終値は2%高の9.29ドルとなった。(提供:Investing.comより)
著者: ハリス アンワル