2019年10月23日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

ポンド主導のマーケットが続いている。昨日22日(火)もEU離脱協定法案を第2読会で可決したことでポンドは一時対ドルで1.3000ドル、対円で141円迄上昇したが、その後行われたEU離脱協定法案の審議日程が否決されると一転、対ドルで1.28ドル台、対円も139円台に急落するなど荒い値動きとなった。米ドル/円に関しては明日24日(木)にペンス米副大統領が対中政策について演説を行うため、大きくポジションを傾けるには少しリスクが高い局面だ。ちょうど1年前になるが、ペンス米副大統領は演説で中国の行動を厳しく批判、その結果として米中貿易戦争が悪化した背景があるだけに1年前と同様強硬姿勢に変化がない場合、あしもと米中間のリスクオンムードは一気に剥落するだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

EU離脱協定法案の審議日程が否決されたことで、今月末31日(木)の期限前に離脱することがほぼ不可能な状態となり、ポンドは下落している。ただし、英政府は「短期の離脱延期を排除しない」としており、数週間の延期で議会審議を通過できる可能性はまだ残っている。また、「合意なき離脱」の可能性はほぼなくなり、時期こそ不透明ではあるが、着実に合意に向かっていることは間違いない。そのため、瞬間的にポンドが売り込まれることはあるだろうが、これまでと違って沈み続けることはないと考えている。一方、米ドル/円はペンス米副大統領の演説やFOMCといったイベント待ちだが、109円付近にある200日移動平均線は強固なレジスタンスとして機能しそうだ。上値を押さえる可能性が高いので108.80円~109.00円付近まで上昇する局面があれば、戻り売りを狙った戦略も悪くはないだろう。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。