故スティーブ・ジョブスが愛したイッセイミヤケのブラックタートルニット。氏の現存する写真を見ると、このタートルニットを着用しているものが多くみられます。スティーブ・ジョブスのトレードマークとも言えるアイテムです。

このニットのブランドであるイッセイミヤケはスティーブ・ジョブズならず世界の成功者、そして富裕層から支持されています。その理由は究極のシンプルさにあると言えるでしょう。ジョブスとの逸話や、成功者を惹きつけてやまないイッセイミヤケの魅力に迫ります。

ジョブスとイッセイミヤケとの出会い

富裕層,イッセイミヤケ
(画像=Casimiro PT/Shutterstock.com)

米アップル社を創業したスティーブ・ジョブスが2011年10月に亡くなった数週間後、アメリカの作家でジャーナリストのウォルター・アイザックソン氏が、ジョブスへのインタビューを基にした伝記本『Steve Jobs』(Little, Brown Book Group)を出版しています。

この書籍の中で、ジョブスが普段から着用していた黒のタートルネックが、日本人デザイナーである三宅一生氏の人気ブランド「イッセイミヤケ」のものだったことが紹介されています。

ジョブスは、日本でソニーを訪れた際、イッセイミヤケのジャケットを従業員が着用しているのを目にし、フルオーダーメイドで製作された同ブランドのタートルネックを愛用するようになりました。当時はAppleのユニフォームにするという構想もあったとされています。

そしてこの黒のタートルネックはジョブスのトレードマークとなり、人々の記憶に深く刻まれました。イッセイミヤケの名がより世界で広まるきっかけにもなったと言えるでしょう。

ジョブスの生き方、そしてApple製品とも共通するコンセプト

なぜジョブスはイッセイミヤケを愛したのでしょうか。その理由としては、iPhoneやMacなどのアップル製品にも共通する「シンプルさ」と「繊細さ」にあるとされています。

ジョブスの黒のタートルネックは彼の身体の寸法を精密に計って製作され、衣服としての機能性にも優れたものでした。シンプル、かつ洗練されたデザインは、ミニマムな製品デザインを追求し、Macコンピューターのフォントにも人一倍こだわりを持っていたジョブス氏を大いに魅了したのかもしれません。

そしてイッセイミヤケが製作したこの黒のタートルネックとスティーブジョブスは、今では既に一つのスタイルとして確立されている「ミニマリズム」の象徴的存在とも言われるようになりました。

シンプルさと機能性・革新性を合わせ持たせる

「一枚の布」——。これが昔から、今に至るまでイッセイミヤケの服作りのコンセプトとして貫かれていることをご存じでしょうか。こうしたコンセプトを根源として、シンプルさがデザインの底流にありながらも革新性を持たせたアイテムがイッセイミヤケの特徴です。糸一本からこだわって製作されたさまざまなデザインを三宅一生氏は世に送り出し続けています。

「シンプルであること」は「機能性が高いこと」と決して同義ではありません。だからこそ、その2点を極めたイッセイミヤケは、経営や事業などで同じように何かを極めた経験を持つ世界の成功者たちから共感を受け、富裕層たちからも多くの支持を集めるまでに至ったと言えるでしょう。

モノトーンの作品やフォルムやシルエットのみにこだわった単色のデザインが多くみられるイッセイミヤケ。着てみると、見るだけでは体験できない着心地の良さと機能性にきっと驚くことでしょう。ジョブス氏との逸話を知った上で、改めてその作品群を楽しんでみてはいかがでしょうか。(提供:JPRIME


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