お通夜・本葬・初七日・四十九日の法要

法律的や税務的に直接大きな意味を持つものではありませんが、お通夜・本葬・初七日等のご法要は非常に重要なものと私は考えております。といいますのは、これらの機会は相続人の方同士で意思疎通・コミュニケーションをするための機会となるためです。

被相続人がお亡くなりになることで家族内・親族内には、パワーバランスの変化が生じます。パワーバランスなどといいますと、あまり良い言い方ではありませんが、家族親族も人間関係である以上、お亡くなりになる方が生じることで様々な点で変わっていきます。これはどのご家庭でも同じです。

特に、配偶者・ご子息はその精神的なショックとともに次世代の家庭のパワーバランスを形成するため、自然と意識がこれまでとは異なってくることでしょう。相続開始後は、新しい家族の中で遺産分け(負債も含みます)、税務申告という非常にデリケートな問題に取り組まなくてはなりません。その際に相続人の方同士顔を合わせるお通夜や本葬、各種法要はコミュニケーションを取るための機会として非常に大きな意味をもちます。

もちろんお通夜や本葬の際には、慌ただしさと世界に一人しかいない故人を偲ぶ気持ちで法務・税務などの話どころではないのが通常でありましょう。しかし、故人の遺産・負債が大きいことが予測される場合、初七日には少しだけでも法務・税務の話をしていただきたいと思います。

相続手続きを円満に進めるためには何より相続人の方同士でのコミュニケーションがもっとも重要です。(なお、コミュニケーションを実際に行っていただく場面は相続発生前となりますが、「相続対策ステップとポイント」も併せてお読みいただければ相続対策におけるコミュニケーションのポイントも述べさせていただいております。)


建設業者様の許認可承継等(建設業の社長様がお亡くなりの場合)

これは、建設業の許可取得をされている屋号様・会社様限定のお話となりますが、建設会社の役員様がお亡くなりになられた場合にはすぐに行政書士に相談をしていただきたいと存じます。多くの建設会社様等では、役員様が経営業務管理責任者(いわゆる経管)になっているのではないかと思います。

建設業の許可を同じ許可番号で継続するためには、経管が欠けてから2週間以内に経営業務管理責任者の変更申請をしなければなりません。ご存知のとおり新規許可扱いになってしまうと仕事の受注や信用に大きく影響が生じます。許可がおりるまで受注がストップしてしまい、賃金や材料費の支払いなど資金繰りがショートしてしまうこともありえます。

もちろん、相続発生前に経管の変更等をされていれば問題がありませんが、経管建代表取締役の方が突然にお亡くなりになられたような場合には早急に建設業許可を扱っている行政書士へご相談ください。(なお、もし経管の5~7年の経験要件を満たしている方がおられない場合には建設業の許可廃止の申請をしなければなりません。自受的に許可を返納すれば、後日、要件を満たした時点で再度の申請をすれば全く不利益はありません)

法務手続きでもっとも期限が短いものは、実は許認可です。事業は社会的な影響があり、無許可営業を取り締まるために許可の継続を認めるための多くのケースで非常に短い期間しか許認可承継を認めていません。注意していただきたいポイントです。(その他パチンコ店やゲームセンターなど風俗営業の許可は60日以内となっており、建設業よりも長いものの、相当に短い間に手続きを終えなければなりません)