帝国データバンク
(画像=PIXTA)

五輪開催が日本経済の持続的な成長に有効と46.8%が認識
~ 五輪期間中の働き方、都内の1割超の企業で休暇の設定や時差通勤を検討 ~

はじめに

2020年7月から9月にかけて、東京五輪・パラリンピック(以下、東京五輪)が開催され、開催都市である東京にとどまらず、全国的に経済波及効果が期待されている。加えて、さらなるスポーツ振興や世界に先駆けた新エネルギー活用に向けた取り組みなど、さまざまな好影響をもたらすと言われている。一方で、大会期間中は輸送障害の発生やサイバーテロの増加など企業にとって弊害となる事象も想定される。

そこで、帝国データバンクは、東京五輪に関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年10月調査とともに行った。

■調査期間は2019年10月17日~31日、調査対象は全国2万3,731社で、有効回答企業数は1万113社(回答率42.6%)。なお、東京五輪に関する調査は、2013年10月、2016年5月に続いて、今回で3回目

■本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com)に掲載している

調査結果

1 東京五輪による自社の業績への影響について、「プラスの影響」は15.0%、「マイナスの影響」は10.5%となった。しかしながら、企業の56.1%で「影響はない」と回答。「プラスの影響」を地域別にみると、『南関東』が19.9%で最も高く、以下、『近畿』(17.5%)、『東海』(12.7%)が上位となった

2 五輪関連の売上額は、これまで(2013年~2019年)、これから(2020年~2024年)ともに東京五輪に関連する売り上げはないとする「0円」が5割超となり最も高かった。東京五輪に関連する平均の売上額は、それぞれ4億1,981万円と4億4,349万円

3 五輪期間中の働き方、「通常どおりの勤務」が51.9%と最も高かった(複数回答)。以下、「現時点で検討していない」(25.9%)、「物流や配送を抑制」(5.8%)、「五輪期間中の休暇を設定」(4.7%)、「(出張や外出など)移動制限」(4.4%)が続く

4 企業の46.8%が日本経済の持続的成長のために東京五輪の開催は「有効」と回答。他方、「有効と思わない」は27.0%となった