先週の力強い上昇によって米国の主要指数は史上最高値に押し上げられた後で、マーケットはセンシティブなフェーズとなるだろう。米中貿易協議によるポジティブなニュースがない場合は、今週の上昇は厳しいものになる可能性は高い。

中国の国営通信社である新華社通信は16日、米中貿易協議では「建設的な協議」が行われたと報じた。しかし、締結に至ったわけではなく「緊密なコミュニケーションを維持することに合意した」ということになっている。

ヘッドライン相場は続くと考えられる中、今週注目の3銘柄を以下で紹介する。

1. ホームデポ (Home Depot)

米大手ホームセンターのホームデポ (NYSE:HD)は11月19日(火)の寄り付き前に第3四半期(8-10月期)決算を発表する。市場予想では、売上高275.3億ドル、EPS2.52ドルとなっている。

世界最大級のホームセンターであるホームデポは、直近数年間でさまざまな事業戦略を遂行し、強い消費者傾向から後押しされつつ成長してきた。しかしながら、木材価格の低下や、米中貿易戦争の影響から第2四半期決算では業績見通しを下方修正している。

HD 週足 2016-2019
HD 週足 2016-2019(画像=Investing.com)

株価は直近5年間で素晴らしい上昇をみせ、142%以上の上昇となっている。先週金曜日の終値は237.29ドルとなった。

もし今後住宅ローン金利が下がることとなれば、住宅市場への追い風となり、ホームデポの株価の上昇は今後も続く可能性があるだろう。

2. セールスフォース(Salesforce.com)

顧客関係管理(CRM)の大手セールスフォース (NYSE:CRM)は11月20日(水)、年次インベスターデーを控える。同社の事業方向性と、戦略においては楽観的な向きが多い。

セールスフォースは8月の決算報告において、売上高が市場予想を上回り、急速な成長が継続的に続く可能性を示唆していた。

CRM 週足 2016-2019
CRM 週足 2016-2019(画像=Investing.com)

8-10月期の予想売上高は、買収の関係で押し上げられ44.5億ドルとなっている。8月では、タブロー(Tableau)を同社過去最大規模153億ドルで買収し、さらにクリックソフトウェア(ClickSoftware)を13.5億ドルで買収で合意したと発表した。

セールスフォースの先週金曜日の終値は163.21ドルとなり、年初来で19%の上昇となっている。

3. オーロラ・カナビス(Aurora Cannabis)

先週金曜日オーロラ・カナビス(TSX:ACB)は7-9期決算を発表し、失望売りの結果となっている。同社は、同業他社を出し抜き収益性を改善できると公言しているが、具体的な時期については言及されていない。

ACB 週足 2016-2019
ACB 週足 2016-2019(画像=Investing.com)

オーロラ株の売りは今後も続く可能性が高い。カナダの大麻合法化から、大麻関連株は急騰したが今年は同セクターは軒並み下落している。

オーロラの7-9月期決算の調整済みEBITDA損失は3970万カナダドル(3033万米ドル)となり、14日に決算を発表したキャノピーグロース(NYSE:CGC)同様に市場予想を下回る結果となった。

オーロラの株価は先週金曜日に18%も下落し、2年ぶりの安値である2.73ドルとなっている。(提供:Investing.comより)

著者: ハリス アンワル