今週木曜日はサンクスギビングデーで米国市場は休場となる中、投資家が注視するファンダメンタルイベントが数多くある。先週金曜日では、トランプ米大統領が米中貿易協議の合意は近いと発言し、協議の進展が期待されている。

しかし、中国の習近平国家主席はトランプ大統領が示したような進展へのシグナルは何も出していない。それどころか、中国サイドは必要であれば貿易戦争を再び「迎え撃つ」こともあると述べている。貿易戦争の見通しはいまだに不透明である中で、今週も大企業の決算が控えている。その中でも注目に値する3銘柄を紹介する。

1. デル(Dell Technologies)

デル (NYSE:DELL)は11月26日(火)の引け後に2019年第3四半期(8月-10月期)決算を発表する。市場予想では売上高238億ドル、EPS1.74ドルとなっている。

2020年業績見通しにおいて、デルは売上高成長率に対し警告を出している。これは世界的な経済問題によって、各企業のデル製品に対する需要が縮小する可能性があるためである。

DELL 週足 TTM
(画像=Investing.com)

昨年では、デルは堅調なハードウェアの売上を生み出していた。これは過去5年間における債務削減と企業構造の簡素化の上で、デルは個人向けの事業を伸ばしていたためである。投資家による事業再編への評価は上々であり、株価は5月下旬までに年初来50%の上昇となった。

しかし、同社が売上高の見通しが弱いことを示した後、株価は24%の下落となった。デルは、8月のカンファレンスコールで今年残りにおける需要は弱く、特に中国からの需要であると述べた。

またデルは、2月に立てた売上高予想の942億ドルから927億ドルへと下方修正している。

2. ベストバイ(Best Buy)

ベストバイ (NYSE:BBY)も、今週決算を控える注目の企業である。第3四半期(8月-10月期)決算が11月26日(火)の寄り付き前に行われる。市場予想は売上高97億ドル、EPSは1.03ドルとなっている。

BBY 週足 TTM
(画像=Investing.com)

ベストバイの株価は年初来35%以上の上昇となっている。拡大するサービス事業に加え、ドアロックや監視カメラなどのスマートホームデバイス、ビデオゲーム、ウェアラブルデバイスなどの製品による恩恵を受けている。先週金曜日の終値は72.64ドルとなっている。

ベストバイの一番の売れ筋商品であるアップル (NASDAQ:AAPL)製品は、新しいiPhoneの需要は強く、ホリデーシーズンにおいて消費者の購買欲が衰える兆候はない。

同社の新しいCEOであるCorie Barry氏は9月、新しいサービスの開発やeコマース部門の拡大、ヘルスケアなどの新しい分野に進出するにつれて、収益が今後5年間で改善すると見ている。

3. ディアアンドカンパニー(Deere & Company)

世界最大の農機メーカーであるディアアンドカンパニー (NYSE:DE))は、11月27日(水)の寄り付き前に第3四半期(8-10月期)決算を発表する。市場予想では、売上高85億ドル、EPS2.14ドルとなっている。

ディアアンドカンパニーは8月、米中貿易戦争による影響を乗り越えるためにコスト削減に徹すると述べていた。同社は、世界経済の景気後退を理由に、2019年第4四半期と2020年の業績見通しを下方修正した。

DE 週足 TTM
(画像=Investing.com)

一部セグメントの生産コストが増加してきた中で、同社は構造的改革や収益性改善を行ってきた。2019年度では、売上高成長率は4%増、純利益は32億となることが予想されている。これは前回の見通しよりも5%少ない計算である。

同社の事業環境の見通しは不明瞭であるが、年初来株価は約18%上昇しており、先週金曜日の終値は175.38ドルとなっている。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル