(本記事は、辻村 司氏の著書『ショートカットキー時短ワザ大全 早く帰るコツは“手元”にあった!』=SBクリエイティブ出版、2019年9月18日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
圧倒的な効果のあるExcelの時短
「最近、事務作業が多いなぁ…」と感じるとき、Excelのショートカットワザを覚えると、世界が変わります。なぜならExcelは、単純な入力操作を何百何千回と行うアプリだから。いちいちマウスに持ち替えたり、メニューバーから機能を起動したり、カーソルで範囲選択をしたりしていると、タイムロスは膨大になります。逆に考えれば、沢山の時間を捻出できる“伸びしろ”があります。
私も働き出したばかりの頃は、セルの削除やコピー、グラフ作成など、ほとんどの操作をマウスで行っていました。当時を思い出すと、色々な機能や呼び出し方を知らなかったので、カンタンな見積もりの表を作るのにも、集中力を消耗していましたね。
今ではキーボードだけで、ほとんど手足のようにExcelを操作できるようになりました。同僚に画面を覗き込まれて「その操作どうやってるの?」と頼りにしてもらえるようにもなりました。本章では、そんなExcel作業を「速く」「快適」にするための“美味しいところ”だけを集めました。
重要ショートカットキー10選
①同じ操作を繰り返す[F4]
Excelに限らずOfficeで使える万能ショートカットキーです。例えば、ある見出しのセルを太字にして、隣の見出しセルにも同じ操作を繰り返したいとき、F4を押せば一発です。直前の動作を記憶しているので、色々な操作がF4だけでまかなえるスグレモノなのです!
②セルを編集モードにする[F2]
文字を打ち込みたいときに、マウスでセルをダブルクリックしていませんでしたか? 実はF2を押すだけでOK。キーボードで沢山のセルに連続入力しているときなどに、いちいち手を離す必要はありません。
③上のセル・左のセルをコピーする[Ctrl+D・R]
上のセルをコピーするときは、「Down(下へ)」でCtrl+D 、左のセルをコピーするときは、「Right(右へ)」でCtrl+Rと覚えやすいです。コピー&ペーストすら不要になる快速ワザです。
④同じ列のデータをリストから入力[Alt+↓]
列(縦一列)に入力されているデータから、候補が出てくるのでタイプ入力を省略できます。例えば、「A部門」「B部門」「C部門」などのように部門が入力されている縦の項目でAlt+↓ 。するとその3つが入力候補としてドロップダウンのリストに出てきます。
⑤範囲を選択する[Shift+↑↓← →]
範囲を選択する操作は、何度も行う動作です。Excelはキーボード入力を頻繁に行うので、その都度ドラッグのためにマウスに持ち替えるのは、地味ながら集中力が奪われるんですよね。動きを省エネしましょう。Shiftキーを押しながら矢印キーでできます。セル範囲の選択にも文字範囲の選択にも使えます。他のショートカットキーにも繋げられます。
⑥列全体・行全体を選択する[Ctrl+スペース・Shift+スペース]
今カーソルのある列・行全体を選択できます。この操作はよく使うことになります。削除するCtrl+ -などと一緒に活用できます。Excelを画面に映し出して発表などしているとき、スムーズに表示調整できたらカッコいいですね。
⑦「セルの書式設定」ダイアログボックスを開く[Ctrl+1]
フォントのスタイルやサイズ、表示形式、罫線や塗りつぶしまで何でも設定できる「セルの書式設定」を開きます。よく行う操作なので、キーで起動するクセがつくと、かなりExcel編集に手慣れてくるはずです。なお、ダイアログボックスはCtrl+Tab 、Tab、矢印キーおよびEnterで操作しましょう。
⑧セルの挿入[Ctrl+Shift++]
新しいセルを追加したいときは、右クリックから「挿入」を選択する必要はありません。出てくるダイアログボックスで「行全体」「列全体」をクリックすると、行や列の挿入もできます。
⑨セルの削除[ Ctrl+ -]
Ctrl+ -を覚えれば、ショートカットキーで編集したセルを、キーボードに手を置いたまま削除できます。出てくるダイアログボックスで「行全体」「列全体」をクリックすると、行や列の削除もできます。
⑩合計を入力する[Alt+Shift+=]
今まで合計を出すのに、「=SUM」を入力して範囲指定したり、「数式」バーから「オートSUM」を選択していた方には朗報です。このショートカットキーを使えば、Excelが範囲を推測し、一発で合計を入力してくれます。よく表を作る人にとっては、ものすごく便利な時短ワザになるでしょう。
セルに対する操作を繰り返す
ココが便利!
直前に行ったものと同じ操作を別のセルにも適用できる万能テクニック
罫線の追加やセルの色を変更など、同じ操作を繰り返すのは非常に面倒です。そんなときに使えるのがF4です。これを押すだけで同じ操作を別のセルにも適用できます。
あらかじめ、セルに対して繰り返したい動作をしておく。ここでは、3人の名前が入ったセルを黄色に塗った
別のセルを選択した状態でF4を押すと、1つ前にした操作と同じ操作を、選択したセルに適用してくれる。ここでは、左の画面と同様にセルが黄色になった(Office365・2019・2016・2013)
時短のコツ
上記の例ではセルの色を変更しましたが、セル内の文字のフォントの変更やフォントサイズの変更、罫線の追加など、様々な操作で動作を反復することができます。操作を繰り返したい場合はF4と覚えておきましょう。
辻村 司
ショートカットキーによる業務効率化エバンジェリスト。「伝わりやすさ」を最重要視し、Excel、Word、PowerPointを中心としたOfficeソフトの体系的な操作テクニックを研究。企業へのAI導入など組織主導の生産性向上よりも、社員1人1人が実践できる生産性向上に注目し、そのための具体的な方法を日夜考えている。
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