テスラの2019年7~9月期決算は減収減益ながら予想外の黒字転換となるポジティブサプライズとなった。後段で詳述するようにテスラ株は急回復し、11月20日には一時361.20ドルと今年6月3日の安値(176.99ドル)から2倍強に上昇する場面も観測されている。最近では近未来ピックアップトラック「サイバートラック」の発表のほか、2020年夏に前倒しした「モデルY」の生産、さらには上海工場の生産開始など好材料が相次いでいる。
今回はそんなテスラの話題についてリポートしたい。
テスラ、7~9月期は予想外の黒字転換
10月23日、テスラが発表した2019年7~9月期決算は減収減益となった。純利益は前年同期比54%減の1億4300万ドル、1株利益は0.78ドルだった。ただ、調整後1株損益は1.86ドルの黒字で、ファクトセットがまとめたアナリスト予想の0.46ドルの赤字を覆し、黒字転換を達成した。テスラは4~6月期まで2四半期連続で赤字を記録していた。
売上高は7.6%減の63億ドルで、市場予想の64億ドルを下回った。その一方で、経費削減等から利益率が大きく上昇、中でも自動車事業の売上高総利益率が22.8%と4~6月期(18.9%)から改善したことが黒字転換に寄与した。
この結果、テスラは3億7000万ドルのFCF(フリーキャッシュフロー)を確保している。
株価は2倍、格付け見通しは「ポジティブ」へ
テスラ株は今年1~3月期の大幅な赤字を受けて低迷が続き、6月3日には176.99ドルの安値を付けていた。4~6月期も赤字が続いたが、7~9月期に予想外の黒字転換が示されると株価も急回復、11月20日には一時361.20ドルの高値を付け安値から2倍強となった。ちなみに、テスラの時価総額は11月26日現在で606億ドルと、ゼネラルモーターズの512億ドルを抜き去り自動車メーカーで全米首位に返り咲いている。