帝国データバンク
(画像=humphery/Shutterstock.com)

自然災害リスクへの対応、企業の27.0%にとどまる
~ 都道府県別では、「高知」が44.2%でトップ ~

はじめに

2019年の秋は、台風15号や19号、相次ぐ大雨などにより、全国各地で水害や土砂災害などが発生した。近年、自然災害の発生件数が増加傾向にあるなかで、自然災害による企業活動への影響は、自社のみならず、取引先などに広がることも懸念されている。

そこで、帝国データバンクは、自然災害に対する経営上のリスクへの対応状況1について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年11月調査とともに行った。

■調査期間は2019年11月18日~30日、調査対象は全国2万3,678社で、有効回答企業数は1万46社(回答率42.4%)

■本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com)に掲載している

本調査で想定した自然災害に対する対応状況
・「十分に対応を進めている」は、自社の防災や経営上の対応だけでなく、他社への影響も考慮して対策や計画などを策定している
・「ある程度対応を進めている」は、自社の防災や経営上の対応について、対策や計画などを策定している
・「あまり対応を進めていない」は、検討はしているが対策や計画など策定していない
・「ほとんど対応を進めていない」は、検討していない/検討する必要はない

調査結果

1 自然災害に対する経営上のリスクへの対応状況において、『対応を進めている』(「十分に対応を進めている」と「ある程度対応を進めている」の合計)企業は27.0%にとどまった。他方、『対応を進めていない』(「あまり対応を進めていない」と「ほとんど対応を進めていない」の合計)企業は66.4%にのぼった

2 『対応を進めている』とする企業を業界別にみると、『金融』が50.0%と最も高く、次いで、『農・林・水産』(35.8%)、『小売』(30.3%)が3割台で続いた

3 同様に都道府県別にみると、「高知」(44.2%)が最も高く、4割を超えた。以下、「和歌山」(38.6%)、「宮城」(36.8%)、「奈良」(36.5%)、「千葉」(33.1%)が上位にあがった。近年、震災により大きな被害を受けた地域や水害などが発生した地域、今後大地震が想定される地域で自然災害に対するリスク対応が進められている傾向がみられた