「アスレジャー」をご存知だろうか? アスレチックとレジャーを組み合わせた造語で、米国では「スポーツウェアを日常のファッションに取り入れたスタイル」として広く浸透している。たとえばヨガパンツやレギンス、ジョガーパンツ、スニーカー、パーカーなどは「アスレジャー」を構成する人気アイテムだ。「アスレジャー」は職場にも浸透しており、ベンチャー企業などに取材に訪れるとヨガパンツにセーターをコーディネイトした女性従業員がデスクでパソコンを打っていたりする。

そんなアスレジャーブームをけん引しているのが、ヨガパンツの草分けとして知られるファッションブランド、ルルレモン・アスレティカ(以下、ルルレモン)だ。後段で詳述するようにルルレモンの株価は12年半で12.5倍に跳ね上がり、年初来の上昇率は80%を超えている。

今回はアスレジャー旋風の「火付け役」ルルレモンの最新動向をリポートしよう。

純利益33%増、既存店売上高17%増…快進撃が続く

ルルレモン,株価
(画像=YuliaGrigoryeva / shutterstock, ZUU online)

ルルレモンの2019年8~10月期決算は売上高が前年同期比23%増の9億1610万ドルで市場予想の8億9970万ドルを上回った。売上高は女性向け、男性向けともに2桁の伸びとなったが、特に男性用衣料品が38%増と大きく伸びた。純利益は33%増の1億2600万ドル、1株利益は0.96ドルと市場予想の0.94ドルを上回っている。ただし、調整後1株利益は0.75ドルと、市場予想を下回った。

注目されるのは既存店売上高だ。8~10月期の既存店売上高は17%増と市場予想(14.4%増)を上回り、8四半期連続で2桁の伸びとなった。

ルルレモンは11~1月期の売上高について13億1500万~13億3000万ドルと予想している。だが、ウォール街ではこの数字について市場予想の13億2600万ドルと比べ「かなり控えめと言わざるを得ない」(トレーダー)との声も聞かれる。ルルレモンのカルビン・マクドナルドCEO(最高経営責任者)は決算発表後のカンファレンスコールで「年末商戦は過去最高のスタートを切った」とコメント。にもかかわらず、保守的な見通しとなった理由について「今年は感謝祭が昨年に比べると1週間遅く、その分年末商戦の期間が短くなることを考慮した」と説明している。

カリスマ的人気でアスレジャー旋風をけん引