2020年が幕を開けた。本特集では、新年にさらに自身の資産を増やし、人生を加速させていこうと考える読者のために、金融・経済各テーマ別に一年の展望を解説する。

第4回のテーマは昨年好調だった「アメリカ株」。マネックス証券の岡元兵八郎氏に寄稿いただいた内容をお届けする。

岡元兵八郎
岡元兵八郎
マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント兼マネックス・ユニバーシティ シニアフェロー。上智大学を卒業後、ソロモン・ブラザーズ証券(現シティグループ証券)入社、東京、ニューヨーク本社勤務を含め26年間同社にて一貫して外国株式のマーケティング、外国株式関連商品業務に携わり、 外国株式部の上級管理職として機関投資家相手の外国株式ビジネスの拡大に努める。その後、SMBC日興証券株式会社で、エクイティ部、投資情報部にて米国株式市場・企業情報の情報収集、分析、顧客向け資料作成業務の責任者として、個人投資家向けに米国株式投資の啓蒙活動を行うなど米国株式仲介事業の拡大に貢献。 著書:『日本人が知らない海外投資の儲け方』(ダイヤモンド社) Twitter:@heihachiro888
sasirin pamai/ shutterstock.com, ZUU online
(画像=sasirin pamai/ shutterstock.com, ZUU online)

昨年、史上最高値を更新した米国株式市場ですが、今年もこの勢いは続くと思います。

現在の米国株市場のセンチメントはFOMOという単語で説明できると思います。

FOMOとは「Fear Of Missing Out(取り残されることへの恐れ)」、つまり、マーケットのラリーに乗り遅れることを恐れているという意味です。投資家は恐る恐るこのラリーに参加しており、今の米国株市場の上昇について「上がり過ぎではないか」「バブルではないか」というコメントを耳にするようになりました。

はたして米国株はバブル的なバリュエーションになってきているのでしょうか。これは、1990年末から今までのS&P500と予想PERの推移を示したものです。

マネックス証券
(画像=マネックス証券)

約30年間の平均予想PER約18倍に対して、2019年の予想EPSを使ったPER(12月24日現在)は19.7倍ですが、2020年の予想EPSを使いますと17.9倍まで下がり、2021年予想EPSでは16.25倍まで下がってきます。

さすがにS&P500は昨年年初から28.6%の上昇し、史上最高値を更新していることもあり、2019年のEPSを使うと割安ではないですが、今年、来年の収益予想を使うと割高感はなくなっていきます。

2020年1月後半に発表されます2019年第4半期の決算は前年同期比1.21%の減益ですが、2020年第1四半期は3.27%の増益、第2四半期は4.74%、第3四半期は9.25%、そして第4四半期になると13.35%の増益で、通年で見ますと2020年は前年比9%増益の年になる予想です。

2020年の予想〜S&P500は3500を目指す