記憶に残るファッションのルール

これまで、清潔感について解説してきました。

ここからは、あなたの存在感を高める方法についてお伝えしていきます。

見た目で好印象を持ってもらうために、清潔感はとても大切です。

しかし、「清潔感がある人」というだけでは、無味無臭な印象にしかすぎず、なかなか人の記憶に残りません。

そこで、清潔感に加えてキーポイントとなる「何か」を加えることが大切です。

そのポイントは、「色」「柄」「小物」「アウター」です。

しかし、「派手なファッション」を目指すわけではありません。

お客様からよく「シンプルなカッコいい服を選んでください」という要望をいただきます。たしかに、女性に好きな男性ファッションを尋ねると「シンプルなカッコいい服」という答えがよく返ってきます。しかし、これにはがあります。

それは、シンプルな服が似合う男性は、イケメンであるということです。

シンプルな服は、洋服よりも着ているその人をより引き立てます。そのため、その人自身の素材がより強調されてしまいます。

たとえば、私は頭が大きいことにコンプレックスを抱いていました。学生の頃は、実用性だけを考えてつくられた無地の白い体操着を着ると、頭の大きさを強調されている気がして嫌で嫌で仕方がなかった苦い思い出があります(笑)。

しかし、今は明るい色のジャケットやストライプ柄のシャツを着れば、人の目線が体の中心に向いて、頭の大きさをコーディネートでうまくカバーすることに成功しています。

つまり、地味でも派手でもない「ちょうどいい服」を選びましょう。

では、次項以降、色や柄、小物などをさりげなく取り入れて、印象を格上げする具体的な方法について解説をしていきます。

人の心は「色」に反応する

人の記憶に残るポイントを取り入れるいちばん手っ取り早い方法は、「服に色を取り入れる」ことです。「情熱の赤」「誠実の青」など、人は色にイメージを持っているため、色のイメージをそのまま印象に結びつけられるからです。

私が高校の頃に友達と初めて渋谷に行ったときの話です。渋谷に行った目的は、「カッコいい服を買う」でした(笑)。

私にとって、初めての渋谷は別世界。

地元(千葉県)のジーンズメイトには置いていなかった服が渋谷にはたくさんありました。特に印象的だったのは、女性物と勘違いするようなカラフルな服がたくさんあったことです。

水色のポロシャツ、真っ赤なブルゾン、薄ピンクのTシャツ……。

当時は「男がこんなカラフルな服を着るの?」と思っていました。

しかし、色彩心理学によると色は次のように、さまざまなイメージを持ち合わせていることがわかりました。

赤:情熱、活力
青:誠実、知的
むらさき:高貴、神秘
緑:安らぎ、落ち着き
オレンジ:陽気、元気

出典:『色彩心理のすべてがわかる本』(山脇惠子 著、ナツメ社)

このように、人は色に対して「イメージ」を持っているので、醸し出したい印象に合わせて色を取り入れることもできます。

そのときのポイントは、「アウター」「インナー」「パンツ」「靴」の4アイテムのうち、アクセントとして1か所だけに彩りが強い色を取り入れることです。

一般的に、「挿し色」と呼ばれている、コーディネート手法です。

挿し色をいちばん取り入れやすいのは、見た目の表面積が最も少ないインナーです。

秋冬だったら赤や青などはっきりした色のセーター、春夏だったらピンクや水色など淡い色のシャツがおすすめです。

また挿し色を取り入れると、全身の印象が間延びしない、アクセント効果もあります。男性の場合、異なる色が2か所以上入ると全身の印象が散らかってしまうので、挿し色は1か所だけに留めましょう。

色は印象をつくるうえで有効な仕掛けです。

色を加えるだけで、人の記憶に自分の存在を強く残すことができます。

38歳からのビジネスコーデ図鑑
森井 良行
1979年 千葉県出身。日本大学卒業後、一般企業を経て、「ビジネスマンの買い物に同行するスタイリスト」に転身する。これまでのべ4,500人を超えるビジネスマンの買い物に同行し、その実績から東洋経済オンライン・夕刊フジ・日刊SPA!など連載をもつ。現在では、自身が毎週リサーチしている掘り出しアイテムを週アイテム配信する「エレカジ大学」を主催。著作に「38歳からのビジネスコーデ図鑑 真似するだけで印象が劇的によくなる(日本実業出版社)」など計5冊ある。

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