帝国データバンク
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「休廃業」 7年ぶりに増加へ転じる、前年比0.5%増の1万2764件
~ 「休廃業・解散」の合計は2万3634件、3年ぶりに増加 ~

はじめに

近年、企業の休廃業・解散による経済的損失が大きいことがクローズアップされている。中小企業庁は、2025年には日本企業全体の3分の1にあたる127万社が、後継者不足などによって廃業リスクに直面すると試算。得意先などの休廃業・解散により販路を失い、事業継続を断念した企業も散見され、開業社数や企業数が大都市に比較して少ない地方ほど、休廃業・解散による影響が広く出始めている。

帝国データバンクは、「休廃業・解散」に至った事業者(法人、個人含む)を集計。倒産件数との比較や、代表者年齢別、業種別、都道府県別に傾向を分析した。

■本調査は経営実体が確認されていた企業の休廃業・解散を対象に集計

■「休廃業」とは、企業活動を停止している状態を指す(官公庁等に「廃業届」を提出して企業活動を終えるケースを含む)。
調査時点では当該企業の活動停止を確認できているが、将来的な企業活動再開を否定するものではない

■「解散」とは、主に商業登記等で解散を確認した場合を指し、経営実体のない登記整理(「みなし解散」等)は含まない

調査結果

1 2019年(1~12月)の「休廃業・解散」件数は、全国で2万3634件(前年比2.6%増)判明。前年(2万3026件)を608件上回り、3年ぶりの増加に転じた。なかでも、経営者が自主的に経営や事業を畳む「休廃業」(1万2764件)の件数は、2012年以来7年ぶりに増加

2 代表者年代別に見ると、リタイア適齢期に当たる「70代」が7197件(構成比37.6%)となり、3年連続で全年代中最多。集計可能な2000年以降でも最多だった。2019年で最も多かった年齢は「71歳」で過去最高を更新した

3 業種別では、全7業種中5業種で前年を上回った。なかでも「サービス業」(5221件、構成比22.1%)は前年から2.7%増加した。業種細分類の件数では、最も多かったのが「木造建築工事」の1231件。休廃業・解散率では牛乳配達などを手掛ける「牛乳小売」(4.09%)が前年から2.53ポイント急増して全業種中トップとなった

4 地域の休廃業・解散動向では、9地域中8地域で前年を上回った。都道府県の件数で2019年に最多となったのは「東京都」の2582件。休廃業・解散率では「福井県」の2.27%がトップとなった