• 2019年第4四半期決算は1月29日の引け後

  • 予想売上高:69.5億ドル

  • 予想EPS:1.64ドル

テスラの株価 (NASDAQ:TSLA)を見ると、1月29日の第4四半期決算は現在の株価の上昇が試されると考えられる。直近3ヶ月で株価が急騰しており、同社に対する今までの懸念は払拭されていると言えるだろう。

10月の第3四半期決算では素晴らしい業績を示し、テスラ株はそれから125%の上昇となっている。

Investing.com
テスラ 週足(画像=Investing.com)

この劇的な上昇の背景には、今月初めに発表した2019年第4四半期の好調な世界新車(納車)販売台数もある。イーロン・マスクCEOは29日の決算発表に先立ち、新モデルのモデルYクロスオーバーと、上海近郊に「ギガファクトリー(テスラのバッテリーパックなどの工場)」の完成を発表している。

第4四半期の世界新車販売台数は11万2000台と記録的な数字となった。また、上海近郊の新工場では、週に1000台のモデル3セダンを生産すると言う。

テスラは初めて時価総額1000億ドルを超えを達成し、フォルクスワーゲン (DE:VOWG)を超えた。そして、販売台数は前年同期に対して23.5%の増加である。アナリストの平均予測では、第4四半期では売上が69.5億ドルまで膨れ上がり、利益も同様に期待されている。

昨年ではマスクCEOのスキャンダルなどで揺れたが、ようやく投資家による信用が戻ってきたようだ。

しかしまだまだ乗り越えないといけない課題は残る

上海工場の竣工や通年36万台の売上目標達成し、今後も売上目標を達成し続けることになればテスラは自動車産業のメインプレーヤーに成長していくだろう。

このような楽観論も広がる一方で、米国の税額控除措置の終了や、オランダの購入者支援策縮小などの障壁が残っている。現在の状況は、2018年は素晴らしい株価の上昇を見せたが、2019年前半で大きく下落したことを思い出させる。

テスラは現在の好調な成長を維持するために、今後数四半期で好調なフリーキャッシュフローを計上し、債務返済を開始できることを示さなければならないだろう。

また、テスラ株は悪いニュースに対し敏感に反応しやすく、投機家のターゲットにもなりやすいことも忘れてはならないだろう。

年初来の順調な株価の上昇にも関わらず、ウォールストリートのアナリストの意見は分かれている。ブルームバーグのデータによると、少なくとも8人のアナリストは年初の予想より目標株価を100ドル以上上げている。そして、目標株価のコンセンサスは、現在テスラの株価よりはるかに下である。10人のアナリストは買い、10人が中立、16人が売りと評価する中で、平均目標株価は363.92ドルとなっている。

総括

テスラが好調な販売台数を叩き出し、長期的な収益性に大きな影響を与える可能性のある中国の工場を建設した後、再び成長軌道に乗ったと考えてもよいだろう。

しかし、テスラの株価はいままで乱高下してきた後で、今後も安定した収益性を示す必要があるだろう。29日の決算発表では、株価上昇が続けられるかを運命づけるイベントとなるだろう。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル