エムスリー <2413> は、医療従事者向けの会員制ポータルサイト「m3.com」の運営をコア事業とする上場企業だ。同社は「インターネットという媒体を活用して、良質な医療情報をいち早く研究や臨床の現場に届け、医療をより良い方向へ変革していきたい」(エムスリーのホームページの『企業情報』より抜粋)との理念を掲げ、2004年9月に東証マザーズに上場、2007年3月には東証1部に指定替えとなり、現在は時価総額で2兆円超、売上で1000億円を超える企業に成長している。

そんなエムスリーの株価は1月14日、上場来最高値となる3475円を記録した。2019年の株価上昇率は約133%で、配当は7年連続で増配、2017年には米フォーブス誌の『世界で最も革新的な成長企業ランキング』において世界5位(日本企業1位)に選出されたほか、2019年10月からは日経平均株価を構成する225銘柄の一つにも採用されている。

今回は医療従事者はもちろんのこと、株式市場関係者からも注目されるエムスリーの最新動向をお届けしよう。

医療従事者のための「ITプラットフォーマー」

エムスリー,株価
(画像=Pixfiction / shutterstock, ZUU online)

エムスリーが運営する「m3.com」は医療従事者のための情報源として2003年にスタート。現在では日本の医師の80%以上に相当する28万人以上、薬剤師16万人以上をはじめとする90万人以上の医療従事者が利用する会員制ポータルサイトに成長している。会員登録した医療従事者は、医療に関する様々な情報を共有することで時間や営業コストの効率化・低減を実現するウィンウィンの関係を築くことが可能となる。

ITを駆使して各種サービスの共通基盤のインフラを提供する「ITプラットフォーマー」といえば、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)を思い浮かべる人も多いことだろう。エムスリーは医療従事者のための「ITプラットフォーマー」として、前述の通り時価総額で2兆円超、売上で1000億円を超える企業に成長している。ちなみに、社名のエムスリーはMedicine(医療)、Media(メディア)、Metamorphosis(変容)の3つのMに由来している。そして、この3つのMを具現化したプラットフォームこそが「m3.com」なのである。

18期連続の増収益、今期も過去最高へ