創業者がストックオプションで富裕層に

ファミリーオフィスのリアル#2
(画像=Bro Crock/Shutterstock, ZUU online)

ファミリービジネスを展開する百武資薫さんは先日、顧客の紹介で知り合った男性に、こんな相談を持ち掛けられた。

「あまり大きな声では言えないのだが、実は共同で立ち上げた企業が上場したことによって、数億円の資産ができた。会社は共同創業メンバーに任せて、私は次の事業をやりたいのだが、ついては資産を運用したいと考えている。子どもにも残してやりたいし。相談に乗ってもらえないだろうか」

この男性は、上場したIT企業の創業メンバーの1人。ストックオプションによって、1億円余りの資産を手にしたものの、資産運用の知識がなく、百武さんにアドバイスを求めてきたのだ。

百武さんの富裕層の定義は不動産を含めた金融資産が10億円以上。それが1つのボーダーラインだという。

「確かに、一般のサラリーマンからしてみれば、1億円でも大きな資産。しかし、人生100年時代を迎え、ずっとそれなりの生活がしたいと考えると10億円は必要だ。したがって、10億円に達するまでは“増やす資産運用”、10億円を超えれば今度は“守る資産運用”をとアドバイスしている」(百武さん)

こうした考えに基づき、百武さんはこの男性に資産運用をアドバイスすることにした。しかしその中身は、巷間言われる資産運用とはひと味違う。百武さんが勧める富裕層向け資産運用は意外なものだった。

富裕層の株式投資は1銘柄に集中投資

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(画像=Bro Crock/Shutterstock.com)

「資産運用の基本は3つ。株式と金とFX。この3つだ」。百武さんはこう言い切る。ここまでは、そんなに珍しいものとはいえない。しかしその中身は、投資の基本とは大きく違う。