5Gスマホのトレンドに関心

5G
(画像=PIXTA)

世界最大のモバイル製品見本市、モバイル・ワールド・コングレス(MWC)が24日からスペインのバルセロナで始まる。今年の話題の中心は本格的な商用化が始まった5G(次世代高速通信システム)対応の最新スマートフォン。関連銘柄への関心も高まりそうだ。

5Gは昨年に米国や韓国、中国で商用化がスタートした。日本でも今春いよいよ運用が始まる。通信容量は現行規格の4Gの20倍の20Gbps(ギガ・ビット毎秒)に上り、超低遅延・多数同時接続といった自動運転などの新技術にも欠かせない特性を持つ。

一方、5Gのサービスを開始した国でもまだ利用可能な地域は限定され、インフラ整備はこれからだ。一般的には5Gの能力は縁遠い状況だが、MWCの会場では最新のテクノロジーが披露される。時代に先駆けて、参加者に大きなインパクトを与えそうだ。

ソニー(6758)はMWC初日に記者カンファレンスを開催し、5Gに対応した次世代スマホを公開するものとみられる。中国のファーウェイは新たなトレンドとして期待される折り畳みスマホを投入する構え。サムスンやLGなど韓国勢の新製品も注目される。

NEC(6701)、アンリツ(6754)といった日本の5Gの中核企業もMWCに参加し、サービスを開始するNTTドコモ(9437)は基調講演を行う。アンリツの今3月期第3四半期(昨年10~12月)の計測事業の受注高は、旺盛な5G投資を反映して大きく拡大した。

5Gスマホに絡んでは、大真空(6962)の水晶発振器や音叉(おんさ)型振動子がスマートフォン向けニーズの拡大が見込まれる。需給はひっ迫しているとみられ、12日の今3月期第3四半期決算での収益好転も視野に入る。

顔認証技術やMR(複合現実)なども、MWCで関心を集めそうな技術だ。それらを支えるToF(タイム・オブ・フライト)センサーは、3次元情報を正確に測定する部品。ソニーの最新機種などへの搭載が予想される中、中国メーカーに強い光学薄膜装置のオプトラン(6235)も有力銘柄として期待される。このほか、人工知覚を研究するKudan(4425・M)も、ToFセンサーを使ったアプリの開発に乗り出している。

小型株では通信計測器のアルチザネットワークス(6778・(2))をマークしたい。同社もMWCにブースを出展し、5G関連製品の商談や業界動向に関する情報収集を行う構え。株価は高値からの調整を挟み、戻り歩調を強めつつある。(2月5日株式新聞掲載記事)

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