米モルガン・スタンレーはディスカウント・ブローカーのE-Trade Financialを130億ドルで買収し、顧客資産3兆ドル以上を保有する会社を設立すると表明した。
このニュースの3か月前には、Charles SchwabがTD Ameritradeを260億ドルで買収すると発表しており、現在、反トラスト法 (米独占禁止法) の審査を受けている。この合併後の企業は資産規模5兆ドルになる可能性がある。
E-Trade買収は非常に大きな成長機会
モルガン・スタンレー最高経営責任者(CEO)のJames Gorman氏は声明の中で、「E-Tradeは、当社の資産管理事業にとって非常に大きな成長機会であり、資産管理戦略の飛躍を意味する」と述べた。
今回の買収が承認されれば、モルガン・スタンレーは、個人向け商品とデジタル商品の両方を提供できるようになり、Merrill Edgeをはじめとする、競合他社が提供する大衆向け商品とより積極的に競争できるようになる。モルガン・スタンレーの15,500人のファイナンシャル・アドバイザーは、富裕層と超富裕層の顧客により重点を置いている。
Gorman氏は、「過去10年に渡り、よりバランスシートの軽い事業ミックスへの移行を継続しており、より持続可能な収益源を重視している」と述べた。
「かなり高額」との指摘も
モルガン・スタンレーの買収について、楽観的な見方に誰もが同意しているわけではない。
Ritholtz Wealth Management社CEOのJosh Brown氏はツイッターで、「モルガン・スタンレーは、今後数年のうちに大部分を償却することになるだろう。ここには何もない。何も支払う予定のない顧客を獲得することを想像してみて下さい」と指摘した。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、Alison Williams氏はブルームバーグ・テレビで、今回の買収は大衆富裕層市場へのさらなる参入を推進するモルガン・スタンレーの戦略と一致しているものの、「かなり高額だ」と述べた。
一方、インペリアル・キャピタル信用アナリスト、デビッド・ヘイブンス氏は、顧客向けのメモの中で、今回の買収は、豊富な報酬と安定性を備えた 安全な資産管理基盤を強化し、「市場ビジネスへの依存度を低下させる」と分析した。
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