帝国データバンク
(画像=PIXTA)

日本企業の中国進出、約1万3600社 沿岸部の都市圏に多く集積
~ 中国関連ビジネス、携わる企業は3万社超 ~

はじめに

中国国内での新型コロナウイルス感染拡大に伴い、中国国内での工場の稼働停止や店舗休止などの影響が深刻化している。上海日本商工クラブが2月17日に公表した、日系企業635社を対象に実施したアンケートによれば、既にサプライチェーン上の課題が過半数の企業で生じていると回答。2020年の収益への影響見込みについては9割超の企業で前年比マイナス、2割は前年比2割超のマイナスになる見通しとなるなど、中国国内へ進出する企業への影響拡大は避けられない情勢となりつつある。

■本調査は、帝国データバンクが保有する企業概要データベース「COSMOS2」(2020年1月時点、約147万社収録)及び信用調査報告書ファイル「CCR」(約180万社収録)、各社の公開情報などを基に、中華人民共和国(本文以下「中国」、香港・アモイの両特別行政区を除く)に対して現地法人や関係会社・関連会社の設立及び出資、駐在所・事務所の設置などを通じて進出する日本企業を対象に集計を行った。なお、同様の調査は2019年に続き6回目。

■前回調査時から一部調査対象の追加・変更等を行ったため、以前の数値とは一部不連続が生じている

調査結果

1 中華人民共和国(以下「中国」、香港・アモイを除く)に進出している日本企業は、2020年1月時点で1万3646社判明。2019年の調査時点から39社減少したほか、過去の調査で最も進出社数が多かった2012年(1万4394社)からは748社減少するなど、中国に進出する日本企業数は引き続き減少した

2 業種別では、最も多かったのは「製造業」(5559社)で、全体の約4割を占める。次いで多いのが「卸売業」(4505社)で、全体の約3割を占め、2019年(4495社)からは0.2%増加した。他方、「小売業」(443社)などでは前年比減少となった

3 中国への進出地域では、最も多かった地域は中国東部の「華東地区」で9054社に上る。なかでも「上海市」は6300社と最も多く、中国全土でも最多。中国全土で3番目に多い「江蘇省」(1900社)などと合わせ、進出する日本企業の多くが上海経済圏に集積する。次いで多いのは「中南地区」で2252社。大規模港湾を有する広州市や、ハイテク産業が集積する深セン市などを擁し、中国全土で2番目に多い「広東省」(2036社)のほか、多数の自動車産業が集積する武漢市を含む「湖北省」(242社)で進出企業が多くみられた