2020年3月3日11時時点に小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週は急激な日経平均の下落が1週間続き、世界各国が、協調利下げというわけではないが金融緩和に向けて動き出した。特にFRBの利下げ思惑が急速にマーケットに織り込まれ、3月の利下げ実施の可能性が30%程度だったものが、昨日2日(月)には100%の織り込みとなった。なお、4月の連続下げも織り込まれたようだ。これらを受け、昨日2日(月)、NYダウが過去最大の上げ幅に。株の戻りに連れて為替も戻ったが、これだけ急激に112円台から107円台まで下落しているので、そう簡単に110円台には戻らないだろう。また本日3日(火)はスーパーチューズデーでサンダース氏が勝てば株売り・ドル売りの展開が見込まれる。サンダース氏は国民皆保険を推しており、実際に勝てば米国の財政赤字がかなり膨れ上がることが予想される。そのこともあり、マーケットにとっては、サンダース氏の勝利というのは不都合な側面があり、トランプ米大統領のほうが株を押し上げてきた実績などもあり好都合だ。そのため、マーケット関係者の間ではそういった意味で、トランプ再選を望むものも多い。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円の予想レンジは106.80~109.50円。値戻ししたとはいえ、上値の重い展開となるだろう。また、引き続きコロナ問題が急激に収束に向かうことはないだろうが、ここ2週間くらいが山場のようだ。そういった状況下ではあるものの、リスクオフの見方は根強く、基本戦略としては戻ったところを売りから入りたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。