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ブラジルで5日、大統領選の投票が行われた。開票の結果、ルセフ大統領が優勢だが、当選に必要な過半数を確保する可能性は低く、決選投票にもつこれむのがほぼ確実と見られる。

ルセフ大統領に対抗するのは、ブラジル社会党のマリナ・シルバ元環境相と、ブラジル社会民主党のアエシオ・ネべス上院議員。得票率は、ルセフ氏が44%、ネべス氏が30%、シルバ氏が22%で、ルセフ氏とネべス氏が決選投票を26日に実施する予定。

ブラジルが、中国と並んで経済成長著しい「BRICs」の一員と呼ばれたのは過去の話となり、今やIMFが予測する経済成長率は2%を下回っている。また、10%以上の金利の高止まり、6%以上の高いインフレ率、インフラ整備の遅れによるコスト高など、庶民の生活を圧迫し、製造業の競争力も伸び悩んでいるのが現状だ。その結果、前職大統領のルセフ氏の政治手腕には疑問符がつけられている。今年のサッカー・ワールドカップでも、この国際的に注目を浴びるスポーツ・イベントに大規模な予算を費やすことに対して、市民デモが行われたことは記憶に新しい。

世論調査では「政権交代が好ましい」との見方もあり、野村證券は、大統領選選挙の結果はレアル相場に大きな影響を与えるだろうと予測した。