新型コロナウイルスの影響を受け、先週の株式市場は大きく値を下げた。米国当局は先週末、国内で初となるコロナウイルスによる死者を報告した。他方、韓国やイランではさらに感染の拡大が続いている。
コロナウイルスの影響を受け、2月中国製造業PMIは過去最低の35.7を記録した。コロナウイルスの経済への影響が明らかになりつつあり、S&P500は先週11%以上値を下げた。
米主要株式指数は週次で10%以上下落し、米10年国債利回りも過去最低水準まで下落した。これらは、景気後退の可能性を示唆している。
市場の関心が新型コロナウイルスに集まる一方、今週は以下の3銘柄にも注目すべきであろう。
1.ターゲット
米小売大手のターゲット (NYSE:TGT)は3日の寄り付き前、第4四半期(11-1月期)決算を報告する。ホリデーシーズンの売上高が予想を下回ったことから、今四半期には低調な見方が多い。
アナリスト予想によると、売上高が234億ドル、EPSが1.65ドルとなっている。ホリデーシーズンの売上高は予想を下回り、同社の戦略が上手くいっていないことが示唆される。
同社の11月・12月の既存店売上高は、1.4%増に留まった。1月には、第4四半期売上高が予想の3~4%増に満たない見通しを示した。
同社CEOのブライアン・コーネル氏は「11月と12月では、季節商品やホリデーシーズンにおいて我々の予想に満たなかった」と述べた。同氏は2017年、店舗の改装とオンラインへの投資を含めた転換戦略を打ち出した。
同株は年初来で約20%安となり、S&P500をアンダーパフォームしている。
2.ツイッター
SNS大手のツイッター (NYSE:TWTR)は今週、大きく値を上げる可能性がある。米アクティビストのエリオット・マネジメントが同社に対し、共同創業者ジャック・ドーシーCEOの退任を求めていることが、1日までに分かった。
ブルームバーグによると、エリオットは4人の取締役派遣を求めているとのこと。エリオットは約10億ドルの株式を取得している。
ドーシー氏は2006年にツイッターを創業した後、一度はCEOの座を追われた。しかし2015年、同社の業績低迷と経営の混乱でCEOに復帰した。また、同氏はツイッターだけでなく、決済大手のスクエア (NYSE:SQ)のCEOも務めている。
同氏は昨年11月、3~6ヶ月に渡ってアフリカに住む計画をツイッター上で明らかにした。ウォールストリートジャーナルによると、この発表はツイッターの幹部陣にも初耳であり、投資家の憤りを買った。
3.コストコ
小売大手のコストコ・ホールセール (NASDAQ:COST)は5日の大引け後、第2四半期(11-1月期)決算を報告する。アナリスト予想では、売上高が382億ドル、EPSが2.07ドルとなっている。
コストコは他小売業者と異なり、堅調な決算を報告する可能性が高い。同社は米国内の堅調な消費者支出の恩恵を受けている。
前四半期における既存店売上高は5.2%増、EPSは2.47ドルとなった。現在は新型コロナウイルスの拡大により、同社の将来見通しやサプライチェーンへの影響に関心が集まっている。(提供:Investing.comより)
著者:ハリス・アンワル