2020年3月10日11時時点に小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

とんでもない相場になっている。これだけ暴落してしまうと、当然のことながら上値は重たくなってしまうだろう。また、米10年債の利回りが昨日9日(月)、0.33%まで下落してしまった。そうなると、生保が為替リスクを背負って、オープン外債をやるのかが非常に疑問だ。最近まで1.90%くらいまであったので、そのくらいあればヘッジを途中でかけたとしても、やられてしまうことはなかなかないが、0.33%レベルになってしまうと話は別だ。そのため、これまでは米ドル/円が下がれば下支えしてくれていた生保や損保、GPIF等の下支えがなくなるかもしれない。そうなると昨日8日(日)の安値は101.18円付近だが、これで大底を打ったとはいえないだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

先週7日(土)時点では、今週の米ドル/円の予想レンジを104.00~107.50円で想定していた。しかし翌日8日(日)にNY州が非常事態を宣言したことでまずさを感じ、予想レンジを100.00~105.50円切り下げた。戦略としては戻り売りから入りたい。具体的には101円前半ではしっかりショートの買い戻しをかけたほうがいいし、もし101円が割れて100円台に突っ込んだ時には、下支えの買いが入るかどうかを見つつ、底堅くなってきたと思ったら買いで入ってもいいが、100円に向けて落ちてくるナイフは握らないほうが賢明だろう。ただし、100円割れも、直近でそれを想定したオペレーションはしないものの、可能性として考えられないことはない。基本は、そう簡単には戻らない下げ相場だ。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。