今週は先週に引き続き、株式市場が乱高下となる可能性が高い。新型コロナウイルスの拡大が続く中、多くの国が入国制限の措置を取っている。

スペインは先週末、全国民に対して移動制限を実施した。他方、米国はイギリスとアイルランドからの入国制限を発表した。

株式市場が混乱する中、各国は積極的な金融緩和や財政出動に動いている。

米下院議長のナンシー・ペロシ氏は13日、医療保険に未加入の人も無料で検査を受けられるようにするなどの包括支援策でホワイトハウスと合意したと発表した。前日に1987年のブラックマンデー以降で最大の下げを記録したダウ平均株価はこの日、急反発して取引を終えた。

ダウ平均は13日、1985ドル高(9.4%高)の23,185.62ドルで取引を終えた。コロナウイルスに関心が集まる中、以下の3銘柄に注目すべきである。

1.アップル

アップル(NASDAQ:AAPL)は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、中華圏以外の全ての直営店を一時閉鎖すると発表した。

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AAPL 週足 TTM(画像=Investing.com)

同社CEOのティム・クック氏は、時給ベースで働く従業員には店舗閉鎖中も報酬が支払われると述べた。また、中華圏以外の地域にある全てのオフィスでは現在、従業員に対して状況が許せば自宅などで働くことを求めているという。

同氏は声明の中で「感染拡大のリスクを最小限に抑制する最も効果的な方法は、人々の過密な接触を避けることだ」と記した。

同社は2月、中国での需要減の影響などを受け、売上高予想について達成できない見込みであることを表明した。

新型コロナウイルスの影響で、同株は2月の最高値から約15%安となっている。

2.マイクロソフト

マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツが、マイクロソフトの取締役を退任した。これを受けて今週、同社の株価は下押し圧力を受ける可能性がある。

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MSTF 週足 TTM(画像=Investing.com)

退任の理由については、自身の財団を通じて社会貢献活動へより多くの時間を割くためであるとされている。役員の退任後も、同社CEOのサティア・ナデラ氏への技術担当アドバイザーは続けるとのこと。

ゲイツ氏は「マイクロソフトは常に私の人生にとって重要だ。引き続き同社のビジョン形成と目標達成を支援していく」と語った。また「会社の将来については、これまで以上に楽観的に考えている」と述べた。

同株は2月の高値から約16%安となっている。

3.フェデックス

世界最大の航空貨物輸送会社であるフェデックス(NYSE:FDX)は17日の大引け後、2020年第3四半期(12-2月期)決算を報告する。アナリスト予想によると、EPSが1.53ドル、売上高が169.4ドルとなっている。

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FDX 週足 TTM(画像=Investing.com)

貨物輸送事業は世界経済の代理指標とされており、市場からの注目を集めている。そのため、新型コロナウイルスの世界経済への影響を、窺い知ることができるだろう。

12月の第2四半期決算報告では、同社は通年見通しを下方修正した。2020年度の予想EPSは11.50ドルから10.25ドルとされている。

同社の軟調な業績を受け、同株は過去1年間で下押し圧力を受けている。

同株は過去1年間で約40%安となっている。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル