動画投稿サイト「ユーチューブ」で活躍するユーチューバーの存在はすっかり定着したが、最近ではインターネットを通じたライブ配信を生業とする「ライバー」も人気を集めている。視聴者がポイントなどを気軽に提供できる「投げ銭」と呼ばれるサービスも登場するなど、新たな市場が拡大しつつある。

動画配信,ライバー
(画像=PIXTA)

ユーチューバーはいまや、小学生のなりたい職業の1位にも浮上する花形だ。「ヒカキン」をはじめとするトップスターの知名度は高く、最近では芸能人の参入も相次いている。それだけに競争は激しく、カメラや編集に使う機材の投資負担も重い。

ライバーはネット動画を利用する点がユーチューバーと共通する一方、リアルタイムでの配信にこだわる。このため動画を編集する手間がかからず、スマートフォン一つで手軽に始められる。そして、ライバーの特徴は、何といっても視聴者との直接的なコミュニケーションだ。

ライバーは動画の視聴者との対話ややり取りによって親近感を植え付け、ファンを増やしていく。広告収入のほかに、視聴者がお気に入りのライバーにポイントなどを送り、応援する。その際に便利なサービスの投げ銭は、クリエーターに対してスマホなどから贈り、ライバーの評価を上げる仕組みだ。

高速・大容量通信の「5G」の商用が始まることで、動画コンテンツは一段と拡充される方向。低遅延によるリアルタイムでのコミュニケーションも実現し、ライバーには追い風も吹く。

大手芸能事務所もライバーの取り込みに動いている。松竹芸能(大阪市)はライバーを多数抱える芸能事務所と業務提携し、育成に注力し始めた。音楽事務所のエイベックス(7860)は昨年11月にライバーをマネジメントする事務所を設立した。配信用プラットフォームでは、ディー・エヌ・エー(=DeNA、2432)も浮上する。

ユーチューバーのマネジメントを手掛けるUUUM(3990・M)はLINE(3938、監理)と組み、ライバーにも事業領域を広げた。所属するユーチューバーのライバーへの参入も支援し、市場を盛り上げる。新型コロナウイルスをめぐっては、音楽ライブの中止が相次ぐ中で、投げ銭などでアーティストを応援する動きが出ている。無観客のコンサートをユーチューブで生配信し、多くの資金を集めたケースもある。

穴株はメタップス(6172・M)。同社はみずほ銀行と組み送金や決済事業を立ち上げた。スマホを使ったクリエーターへの送金システムを開発し、新たな市場で商機が広がりそうだ。またガイアックス(3775・名セン)はブロックチェーンを活用し、個人や団体に応援ポイントを送れるサ―ビスを展開する。(3月19日株式新聞掲載記事)

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