帝国データバンク
(画像=Wang An Qi/Shutterstock.com)

2019年度は81件、前年度比15.6%減
~ 下半期は3半期ぶりの増加に転じる ~

はじめに

2019年度(2019年4月~2020年3月)の太陽光関連業者の倒産件数は81件と、前年度(96件)から15.6%の減少となった。2014年度以来、5年連続で増加してきた太陽光関連業者の倒産は、6年ぶりに減少した。もっとも、2019年度下半期は前期比25.0%増の45件と3半期ぶりの増加に転じており、動向には注意が必要だ。

調査対象は2006年1月から2020年3月までに発生した483社の太陽光関連業者(※)の倒産 (法的整理のみ、負債1000万円以上)。「倒産件数・負債額の推移」、「倒産態様別」、「負債額別」、「地域別」、「業歴別」、「資本金別」、「従業員別」、「業種別細分類」、「倒産主因」について調査、分析した。

※太陽光関連業者とは、①太陽光発電システム販売や設置工事、太陽光パネル製造やコンサルティングなど関連事業を主業として手がけるもの、②本業は別にあり、従業として太陽光関連事業を手がけるもの、両方を含む

■前回調査は、2020年1月10日

調査結果

1 2019年度の太陽光関連業者の倒産件数は81件(前年度比15.6%減)。2014年度以来、6年ぶりに減少した。ただし、2019年度下半期においては45件(前期比25.0%増)と3半期ぶりの増加に転じたほか、負債額も136億300万円(同34.5%増)と増加している

2 2006年度から2019年度までの累計倒産件数483件のうち、「倒産態様別」では「破産」が454件(構成比94.0%)を占めた。「負債額別」では負債5億円未満が全体の85.1%を占めている。「地域別」では「関東」が177件(同36.6%)、次いで「中部」の86件(同17.8%)、「近畿」の70件(同14.5%)となった

3 「業歴別」では「5~10年未満」の135件(構成比28.0%)が最も多く、次いで「30年以上」の94件(同19.5%)。「資本金別」では「1000万~5000万円未満」が230件(同47.6%)、次いで「100万~1000万円未満」の194件(同40.2%)で合わせて全体の87.8%を占めた。「従業員別」では「10人未満」の334件(同69.2%)が最も多く、「10~50人未満」の135件(同28.0%)と合わせて全体の97.2%に達した

4 「業種別細分類」では「設備工事業」が117件(構成比24.2%)でトップ。「倒産主因」では「販売不振」が351件(同72.7%)で最も多かった