2020年4月14日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
米国のコロナ問題の現状を考えても、感染者数や死亡者数の改善もみられず、収束に向かっているようには思えない。また、米国の2兆3000億ドルの資金供給に関しても、FRBが中小企業に直接お金を貸すのとほぼ同じで、お金をじゃぶじゃぶに出すという話だ。ドルの調達ニーズはこれでかなり緩和されるだろうということもあり、どうしてもここからはドルの上値が重たくなることが考えられる。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米ドル/円の日足チャートをみると、今年2020年に入ってからの高値と安値を結んだ61.8%が108.00円付近だが、ここを割り込んだ。また50%が106.70円付近で、この半値を狙いに行く動きが出ているように思える。そのため、予想下値に設定。よって今週の米ドル/円予想レンジは106.70~109.50円。先週は押し目買いから入りたいといったが、同じような予想レンジではあるものの、今週は売りから入りたい。具体的には108円後半から109円に近いところは売っておきたいが、今はそこまで上がる感じもしないため、108円前半からミドルであれば売っておきたい。そして106.70~107.00円は買い戻しを掛けて、半値である106.70円が割れたらもう一度新規で売りから入るような戦略。ただし気を付けるべきは、106.70円を割ってくると106.50円や106.00円はGPIFが絶対に出てくる水準なので、よほど海外勢と一緒に売っていくなどしないと、突っ込んで自分だけつかまって結局大きくショートカバーせざるを得ないという可能性もあることだ。106.70円を割った際には、より慎重に臨みたい。
小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。