アルファベット (NASDAQ:GOOGL)とフェイスブック (NASDAQ:FB)はそれぞれ28日と29日に、第1四半期(1-3月期)決算報告を行う。新型コロナウイルスによって、両社のデジタル広告がどのような影響を受けているかが焦点となっている。
アナリストにとって、差し迫る世界的不況がソーシャルメディア企業へ与える影響を正確に予想することは難しい。結局、ほとんどのソーシャルメディア企業は若い企業であり、過去10年間の好景気の恩恵を受けてきたのだ。
フェイスブック
フェイスブックは29日の大引け後、第1四半期決算を報告する。アナリスト予想では、EPSが1.74ドル、売上高が174億ドルとなっている。
多くの企業が広告費を削減しており、同株は年初来で約15%安となっている。決算で注目されているのは、同社の将来の見通しである。
Needham社のアナリストであるLaura Martin氏は、同社の収益の30~45%は新型ウイルスのリスクを孕む広告カテゴリーからもたらされていると述べた。また、同社が注力する10か国の内の6か国で新型ウイルスが流行していると、同氏は付け加えた。
「我々の見解では、観光業や小売業、消費財メーカー、エンタメなどの業界で広告支出が減少しており、これらはフェイスブックの総収入の30~45%を占めている」と同氏は述べた。
同社は新型ウイルスのプラスの影響とマイナスの影響について、既に投資家へ発信している。新型ウイルスによるロックダウンを受け、メッセンジャーやワッツアップでのテキストチャットや音声通話、ビデオ通話の需要が爆発的に増加しているが、収益には繋がらない見込みである。
「エンゲージメントが増加しているサービスの多くは収益化しておらず、新型ウイルスの抑制に取り組んでいる国では広告事業が弱っている」とフェイスブックのAlex Schultz氏とJay Parikh氏は述べた。
グーグル
グーグルの親会社であるアルファベットは28日の大引け後、第1四半期(1-3月期)決算を報告する。予想では、EPSが10.7ドル、売上高が410億ドルとなっている。
同社は中小企業からの広告費に大きく依存している。新型ウイルスの影響で、中小企業の広告費は大きく減少している。
RBCキャピタルマーケッツによると、第1四半期におけるオンライン広告収益は前年同期比約30%減となるとのこと。
同社の最高経営責任者(CEO)であるサンダー・ピチャイ氏は従業員に対して、同社は2020年の雇用ペースを「大幅に減速」させる計画であることを伝えた。同社の広告事業は2019年の総収益の61%を占めており、中核事業となっている。
これらの理由から、同株はハイテク銘柄においてアンダーパフォームしている。24日の終値は1276.6ドルとなっており、年初来で約4%安となっている。
総括
広告市場が低迷し、新型ウイルスがいつ終息するか分からない中、両社の第1四半期決算はネガティブな結果となるだろう。つまり、ネットフリックス (NASDAQ:NFLX)やアマゾン・ドット・コムなどの企業に対して、株価がアンダーパフォームする可能性が高い。
しかし、長期投資家にとって両社の株価が低迷する今こそが、割安でエントリーするチャンスである。景気が回復基調に乗った場合、両社の業績も反発する可能性がある。(提供:Investing.comより)
著者:ハリス・アンワル