2020年5月11日8時時点に竹内典弘さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は3月31日、2020年度以降のポートフォリオの変更を発表。このなかで外国債券の比率を15%より25%への引き上げを開示している。日本の財務省統計から、米ドル/円が年初来安値の101.18円を付ける過程で、国内機関投資家の外国債券投資が活発化、3月第1週には約4.2兆円を買い越した。その後は一転、ほぼ6週続けて売り越しとなっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

この外国債券投資、一部は実弾の円売りを伴うことから市場の注目を集めるが、今年はここまで低調のままだ。背景は、為替市場での米ドル/円やクロス円の水準自体が高いこと。2月下旬以降、金融市場の混乱に直面したことで、各国の中央銀行が利下げや量的緩和に転じて、金利は急低下、債券価格は上昇となった。生命保険会社等の機関投資家は、高値での外国債券の買いには及び腰で、当面、外国債券投資は、円高局面での「緩衝材」となりそうだ。今週は経済指標の発表の小粒なものが多く材料難、米ドル/円の105円台では一旦買いか買い戻し、107円台では戻り売りとレンジの取引を想定している。ボラティリティから換算する今週のレンジは、米ドル/円で105.50~107.80円、ユーロ/米ドルで1.0750~1.0950ドル、ユーロ/円で114.00~117.00円を予想している。

竹内典弘
1990年、カナダ系の銀行へ入行し為替ディーラーとなる。HSBCでは米ドル/円のチーフトレーダーを務めるなど20年以上にわたって為替市場の第一線で活躍。現在は個人トレーダーとして自己資金を運用するほか、twitter(@yen20pl)や西原宏一さんのメルマガを通じて情報配信を行なう。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。