2020年5月14日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
新型コロナウイルスを巡り、各国の拙速なロックダウン(都市封鎖)解除で流行第2波への懸念がくすぶっている。同時に新型コロナの発生源などを巡る米中の対立激化が不安視されており、市場のムードは暗転。NYダウが2日で1000ドル近く下げるなどキナ臭い動きが再燃している。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米連邦捜査局(FBI)は、中国がサイバー攻撃やスパイ活動を通じて新型コロナの予防ワクチンや治療法に関する機密情報を得ようとしていると米研究機関に警告を発した。また、ウォールストリート・ジャーナル紙は「新型コロナの予防ワクチンを研究する米国の大学や企業に対して、中国とイランが激しいハッカー攻撃を仕掛けており、開発を妨害しようとしている可能性がある。トランプ政権内では、ワクチンの開発を阻害した可能性もあることから、米国の公衆衛生への直接的な攻撃であり、戦争行為に等しいのではないかとの見解も出ている」と報じた。こうした中、米ドル/円は上値の重い展開が見込まれ、107円台後半の上値抵抗に近付けば戻り売りが出やすいだろう。もっとも、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がマイナス金利の導入に否定的な考えを改めて表明した事から米長期金利は下げ渋っており、前週に過去最低利回りを記録した米2年債などは低下余地が乏しいと考えられる。リスク回避局面ではドル買いが優勢となる傾向もあるため、米ドル/円が下値を探る展開にはなりにくいと見る。106円台半ば以下では押し目買いがワークしそうだ。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。