高いリターンを望む投資家にとって、現在の状況は厳しいだろう。新型コロナウイルスを受け、米国経済が景気後退に陥っている。

配当銘柄は不況下において避難先となり得るが、高配当利回りの銘柄へ投資しても、必ずしも高い配当が得られるわけではない。

健全なバランスシートを有し、これまで安定的な配当を支払ってきた企業がおすすめである。以下が、長期投資に適している、配当3銘柄である。

1.ホーム・デポ

ホーム・デポ(NYSE:HD)は、景気後退を耐え抜く可能性が高い小売企業である。

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ホーム・デポ週足チャート(画像=Investing.com)

新型ウイルスの流行前、同社は店舗の近代化やデジタルへの投資、サービスの向上などへ110億ドル投資してきた。新型ウイルスが終息した後、同社の業績は急速に反発する可能性がある。

また、堅調な米国住宅市場は、同社の業績の追い風となるだろう。

さらに、同社は安定的に配当を支払っている。4半期配当額は過去10年間で380%増となっており、配当性向は42%となっている。

配当利回りは2.58%、4半期配当額は1.5ドルとなっている。

2.エンブリッジ

公益事業セクターもまた、長期的には安定的な収益をもたらすだろう。エネルギー輸送会社のエンブリッジ(NYSE:ENB)は、北米のエネルギー供給チェーンにおいて重要なポジションを占めている。

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エンブリッジ週足チャート(画像=Investing.com)

エンブリッジは様々な地域かつ多角的な事業からキャッシュフローを生み出しており、景気後退を乗り切ることができるだろう。

例えば、新型ウイルスの影響で原油需要が減少している一方、その影響を免れている天然ガス事業が同社キャッシュフローの約30%を占めている。

同社の業績は安定しており、景気後退下でおすすめの銘柄である。四半期配当額は0.577ドル、配当利回りは7%となっている。

同社は過去3年間、リストラや資産売却、負債の返済を行ってきた。これらの施策は、長期的な投資家にとって利益をもたらす可能性が高いだろう。

同株は年初来で21%安となっている。

3.ハネウェル

景気の影響を受けやすい製造業の見通しは、日に日に暗くなっている。しかし、特殊産業機械を製造するハネウェル (NYSE:HON)は、例外である。

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ハネウェル(画像=Investing.com)

同社は航空宇宙・自動車分野の製品およびサービス、ビル・住宅・産業向けに様々な製品を提供している。

同社CEOのダリウス・アダムチク氏は、創業135年の歴史を持つ同社をスタートアップの文化を併せ持つ企業へと変貌させようとしている。同氏は、ソフトウェアベースの製品を導入し、財務基盤を安定化させてきた。

また、同社はこれまで安定的に配当を支払ってきた。配当利回りは約3%、四半期配当額は過去5年間で年率11%増の0.9ドルとなっている。配当性向は49%となっており、20年以上に渡って配当を支払っている。

総括

景気後退時は、経済と密接に連動している銘柄への投資を避けるべきである。しかし、長期的に安定的な収入を望む投資家にとっては、配当に定評がある銘柄がおすすめである。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル