2020年第1四半期の決算シーズンはほとんど終了した。新型コロナウイルスが流行する中、米大企業の今後の見通しは不透明である。

一部の企業は今後の見通しを示しているが、その見通しは非常に厳しいものとなっている。FRBの調査によると、米企業は2008年のリーマンショックよりも警戒感を強めている。

米国における金融セクターを除く上場企業の42%が設備投資の削減を検討しており、27%が減配を検討していると、エコノミストのAndrew Y. Chen氏とJie Yang氏は述べた。

米主要テクノロジー企業の第1四半期決算では、将来の不確実性が高いことが明らかとなった。

不透明な経済

Eコマース大手のアマゾン (NASDAQ:AMZN)は注文数が8年間で最も増加しているにも関わらず、従業員を感染させないようにしながら配送しているため、コスト圧力が高まっている。

23日の決算報告後の電話会議で、第2四半期における営業利益が15億ドルの赤字になると警鐘を鳴らした。

経済の不確実性が高く、iPhone販売の見通しが暗くなる中、アップル (NASDAQ:AAPL)は17年ぶりに、第2四半期の見通しを表明しなかった。

その一方で、オンラインショッピングやSNSでの交流、在宅勤務の増加などにより、一部の企業は好調な決算報告を行った。

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マイクロソフト週足チャート(画像=Investing.com)

マイクロソフト (NASDAQ:MSFT)やアルファベット (NASDAQ:GOOGL)は、クラウドコンピューティング事業の成長を受け、好調な第1四半期決算となった。

予算削減や減配

ボーイング (NYSE:BA)やゼネラル・エレクトリック (NYSE:GE)などの大手重工企業や航空会社、石油会社に至るまで、経営陣は新型ウイルス流行前の状態へすぐに戻ることはないと見ている。

ボーイングは決算報告において、航空業界にとって史上最悪の不況を乗り越えるための計画を発表した。その中には約10%の人員削減やボーイング787の生産減などが含まれている。

同社CEOのデイブ・カルフーン氏は、新型ウイルスの不況に耐えうる健全なバランスシートを有していると述べた。

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ボーイング週足チャート(画像=Investing.com)

同株は年初来で62%安となっており、ダウ平均株価構成銘柄の中で最も下落している。

ゼネラル・エレクトリックは4月末、年間1.52ドルの配当と自社株買いを中止すると発表した。配当だけで16億ドル以上の節約が見込めるという。

壊滅的な原油安に直面しているエネルギー企業は、減配や予算削減によってこの不況を乗り越えようとしている。

エクソン・モービル (NYSE:XOM)は30年ぶりの四半期損失を計上しており、新型ウイルスの影響が通年で尾を引く可能性を示唆した。

同社は2020年に計画されていた資本支出を、100億ドル削減した。同社CEOのダレン・ウッズ氏は「世界中で今直面している危機は、いまだかつてないものだ」と述べた。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル