米国株式市場は3月の安値から大幅に回復した後、今後下落する可能性がある。

ドナルド・トランプ米大統領は中国に対して、新型コロナウイルス発生時の対応を非難しており、市場は貿易戦争の可能性に注目している。米商務省は15日、「ファーウェイへの輸出禁止を強化する」と述べた。

これを受け、中国国営の「環球時報」の編集長であるHu Xijin氏は、クアルコム (NASDAQ:QCOM)やシスコ・システムズ (NASDAQ:CSCO)、アップル (NASDAQ:AAPL)などの米国企業について、中国は「制限または調査」を行う可能性があると述べた。

米中の緊張が高まる中、以下が今週注目の3銘柄である。

1.ウォルマート

米小売大手のウォルマート (NYSE:WMT)は19日の寄り付き前、第1四半期(2-4月期)決算を報告する。予想では売上高が1310億ドル、EPSが1.13ドルとなっている。

新型ウイルスの流行で消費者が必需品や食品の買いだめに走る一方、同社はロックダウン中にも営業を継続していた。

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ウォルマート週足チャート(画像=Investing.com)

政府や他企業が新型ウイルスの対応に苦戦する中、同社はEコマースやヘルスケアへの多額の投資と150万人の労働力により、全米に商品を送り届けることができる。

同社は各四半期で好決算を報告しており、オンライン売上高も増加している。そのため、同株は年初来で約6%高となっている。

決算報告では、既存店売上高とオンライン売上高が焦点となるだろう。

2.エヌビディア

半導体大手のエヌビディア (NASDAQ:NVDA)は20日の大引け後、第1四半期(2-4月期)決算報告を行う。予想では売上高が29.7億ドル、EPSが1.66ドルとなっている。

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エヌビディア週足チャート(画像=Investing.com)

2019年に76%高となった同株は、2020年も上昇を続けている。同株は年初来で44%高となっており、9.4%安のフィラデルフィア半導体株指数をアウトパフォームしている。

同社は新型ウイルスの影響を免れることはできないが、バランスシートやキャッシュフローは堅調に推移すると見られている。

また、新型ウイルスの流行を受け、医療用半導体やクラウド向け半導体の需要が増加しており、同社はその恩恵を受けると見られる。

3.アリババ

中国のEC大手であるアリババ (NYSE:BABA)は21日の寄り付き前、第4四半期(1-3月期)決算を報告する。予想では、売上高が1179.8億ドル、EPSは0.83ドルとなっている。

アリババの決算報告では、新型ウイルスからの回復を目指す中国経済について、手がかりを得られるだろう。

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アリババ週足チャート(画像=Investing.com)

アリババは年初来で4%安となっている。アマゾン (NASDAQ:AMZN)やアルファベット (NASDAQ:GOOGL)などの米企業と同様に、同社もクラウドコンピューティングの分野へ積極的に投資している。

同社は今後3年間でデータセンターなどのクラウドインフラへ2000億元(280億ドル)の投資を計画している。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル