「毎月さまざまな銀行へ振り込みするのが面倒」と感じたことはありませんか?また「貯金を目的別に分けたい」と考えても、いくつも銀行口座を持つのもかなり面倒で、そのままになっている人もいるかもしれません。住信SBIネット銀行は、自動振込・振替や目的別口座などユニークなサービスを数多く展開するネット専業の銀行です。今回は、そんな住信SBIネット銀行の魅力とメリット・デメリットについて解説します。
※本記事内の金利や手数料などは2020年4月28日時点の数字です。
住信SBIネット銀行の特徴
住信ネット銀行の特徴を「預金金利」「特徴的な機能」「優遇プログラム」の詳細の3点より説明します。
普通預金金利と主な取扱商品
住信SBIネット銀行の円普通預金金利は、年利0.001%、円定期預金金利は、期間に関わらず0.020%となっており、他のネット銀行と同水準です。都市銀行のみずほ銀行と比べると普通預金金利は同じですが、定期預金の金利は10倍で住信SBIネット銀行のほうが高くなっています。また、住信SBIネット銀行は、他の金融商品として円定期預金よりも金利の良い商品が豊富です。
主力商品は、外貨預金や円や外貨を対象とした仕組預金。SBI証券と連動してデリバティブ商品を利用した円預金の一種であるSBIハイブリット預金などです。
貯金の目的別に子口座が作れる点が大きな特徴
住信SBIネット銀行の大きな特徴として「貯金の目的別に子口座が作れる」というサービスがあります。他のネット銀行も円預金口座の他に外貨預金の口座や証券口座はありますが、住信SBIネット銀行のように目的を定めた子口座を作る機能は見られません。目的別口座では、各口座に目標の貯蓄額を設定でき「現在何%まで達成できているか」をグラフで確認できる仕組みです。
目的別口座は、円預金口座・外貨預金口座を選べるので、海外旅行用には外貨預金口座を割り当てる、ということもできます。
「スマートプログラム」の「スマプロランク」で優遇特典あり
住信SBIネット銀行には、他行でもよく見かける優遇プログラムとして「スマートプログラム」の中に4段階の「スマプロランク」を設けています。本プログラムは、口座開設から半年間はランク2が設定されていてATM利用手数料が月5回まで無料、他行宛振込手数料は月3回まで無料です。「スマプロランク」の主なステージアップ条件は以下の通りです。
【ランク2】
・30歳未満
・総預金の月末残高が30万円以上
・ロボアドバイザー資産運用残高の合計が月末時点で10万円以上
・以下の☆のうち2つ該当(11の条件のうちいくつかを抜粋)
☆外貨預金(普通・定期)の月末残高あり
☆仕組預金の月末残高あり
☆SBIハイブリッド預金の月末残高あり
☆給与、賞与または年金の月内ご入金あり
☆ミライノ デビットの月末時点の確定金額が合計1万円以上(3万円以上2つにカウント)
☆クレジットカード「ミライノ カード(JCB)一般」の引落口座を当社に設定かつ当月確定(翌月引落)金額が1万円以上(5万円以上2つにカウント)
など
【ランク3】
・総預金の月末残高が300万円以上
・ロボアドバイザー資産運用残高の合計が月末時点で100万円以上
・住宅ローンを利用
・ランク2の☆条件のうち3つ該当
【ランク4】
・外貨預金と仕組預金の月末残高合計が500万円以上
・外貨預金と仕組預金の月末残高合計が300万円以上かつ住宅ローンを利用
本プログラムでの主な優遇内容は、コンビニATM手数料無料、他行宛振込手数料が月最大15回無料など以下の通りです。住信SBIネット銀行と三井住友信託銀行向けの振り込みは上限なく無料となります。
【各ステージの主な優遇内容】
手数料の内容 | ランク1 | ランク2 | ランク3 | ランク4 |
コンビニATM手数料 | 月2回無料 以降は110円 |
月5回無料 以降は110円 |
月7回無料 以降は110円 |
月15回無料 以降は110円 |
他行宛振込手数料 | 月1回無料 以降は157円 |
月3回無料 以降は157円 |
月7回無料 以降は157円 |
月15回無料 以降は157円 |
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住信SBIネット銀行のメリット5点
住信SBIネット銀行の特徴を踏まえて本銀行を利用するメリットを5点にまとめて紹介します。
比較的簡単な条件でATM手数料や振込手数料の無料回数が増やせる
優遇プログラムは、30歳未満なら無条件でランク2となりランク3までは比較的条件を達成しやすくなっています。例えば、ランク3の場合、住宅ローンを利用していればそれだけで条件達成です。住宅ローンを利用していない場合でも以下の3つは手数料などがかからずに達成しやすい条件といえるでしょう。
・外貨預金(普通・定期)の月末残高あり
・給与、賞与または年金の月内入金
・ミライノ デビットの月末時点の確定金額が合計1万円以上(3万円以上2つにカウント)
ランク3の場合、ATM利用手数料も他行宛振込手数料も月7回まで無料となるため、どちらも最大限利用すると1,869円の節約となります。
定額自動振込や定額自動入金サービスが便利
他行にはない住信SBIネット銀行の魅力は、定額自動振込や定額自動入金のサービスを利用して毎月決まった振込・振替を完全自動化することも可能な点にあります。定額自動振込は、指定した振込日または曜日に他行へ自動的に振り込むサービスです。最大10件まで登録でき、他行宛振込手数料の無料回数分は無料、以降は1件157円で振り込むことができます。
定額自動入金サービスは、他行から住信SBIネット銀行へ、指定した金額を無料で自動入金するサービスです。こちらのサービスは、他行から引き落とす日は5日または27日、住信SBIネット銀行への着金は4営業日後となっています。つまり、自動的に他行へ振り込むこともでき逆に他行からこちらへ入金もできるので月々の支払いでATMを何回も操作する必要はありません。
また、振込み忘れや残高不足の心配もなく安心できる点も大きなメリットです。
目的別口座で預金を分けて管理できる
目的別口座の特徴は、先ほど説明した通りです。目的別に最大5つまで子口座を持つことができ目標額と現在の残高をグラフ表示して達成率を確認できます。目的別口座への入金は代表口座を通してするため、定額自動振込や定額自動入金サービスなどの利用で自動的に入金・出金はできません。しかし、お金を目的別に分けて管理するのにはとても便利な機能です。
「SBIハイブリッド預金」をすると円普通預金の金利が0.01%にアップ
円普通預金の金利は、他行と変わらず0.001%ですが、SBIハイブリッド預金を利用すると円普通預金金利が10倍の0.01%にアップします。アップしたとしてもあまり高い金利とはいえませんが、普通預金の金利も可能な限り高いほうがいい人にはメリットの一つでしょう。SBIハイブリッド預金は、デリバティブ商品を利用して高い利回りを目指す仕組みかつ元本保証のある円預金の一種です。
資金的に余裕があればSBIハイブリット預金の利用も検討してみましょう。
振込手数料の無料回数を超えた後も手数料が安め
他行宛振込手数料は、銀行によって差があります。例えば、みずほ銀行のインターネットバンキングで他行宛に振り込む場合、3万円未満なら220円、3万円以上なら440円が必要です。一方、住信SBIネット銀行の場合、無料回数分利用した後も振込手数料は一律157円と割安です。
住信SBIネット銀行のデメリット4点
住信SBIネット銀行にはデメリットもあります。主に4点ほどありますので解説します。
メガバングや地方銀行などのATMは利用できない
他のネット専業銀行と同様、メガバンクや地方銀行などのATMは利用できません。近くに金融機関の多い街で働いている場合、金融機関のATMが使えないと不便です。利用可能なATMは、主にコンビニやスーパー設置のATM、ゆうちょ銀行のATMです。
給与振込指定だけではメリットが大きくない
例えば、楽天銀行の場合、給与振込指定口座にするだけで楽天スーパーポイントが付与され他行宛振込手数料やATM利用手数料が何回か無料になります。住信SBIネット銀行では、給与振込指定はスマプロランクのランクアップ条件の一つではありますが、あまり優遇されているとはいえない点が残念なポイントです。
「SBIハイブリッド預金」や「目的別口座」から直接ATM出金できない
住信SBIネット銀行は、代表口座の下に外貨預金やSBIハイブリット預金、目的別口座などの口座がぶら下がる構造です。他行とのやりとりやATMからの入出金は、代表口座を通さなければなりません。定額自動振込や定額自動入金を利用してこれらの口座へも自動的に入出金できればいいのですが、それができない点は残念な点です。
リアル店舗がないので対人での手続きができない
住信SBIネット銀行は、ネット専業なのでリアル店舗がありません。電話での相談や問い合わせはできますが「対面で相談しながら進めていきたい」と考える人にとっては、少し不便に感じる可能性があります。
住信SBIネット銀行とSBI証券の連携がおすすめ
住信SBIネット銀行とSB証券の連携をするとSBIハイブリット預金ができるだけでなく以下の3機能も使えて便利です。
・アグリゲーションサービス
・振替上限金額の設定
・追加保証金等自動振替サービス
アグリゲーションサービスとは、住信SBIネット銀行の画面からSBI証券の資産残高も確認できる機能です。都度両方の画面を起動しなくても資産状況が把握できる点が便利です。また、SBIハイブリット預金への振替上限額を設定できます。SBIハイブリット預金口座は、預金保険制度により保護される対象の口座です。
保護される上限金額は1,000万円とその利息分ですので金額の範囲内で運用したい場合にこの機能を利用します。追加保証金など自動振替サービスは、SBI証券側で追加保証金等が必要になった場合、自動で振り替えるサービスです。例えば、「追証の連絡が来て対応を忘れてしまう」という場合などに助かります。
住信SBIネット銀行の手数料などまとめ
ここで住信SBIネット銀行の手数料などを振り返って確認しましょう。
・ATM利用手数料:月2~15回まで無料、以降は1件につき110円
・他行宛振込手数料:月1~15回まで無料、以降は1件につき157円
・円普通預金金利:0.001%、SBIハイブリット預金を利用している場合10倍の0.01%
・円定期預金金利:一律0.02%
住信SBIネット銀行は、ATM利用手数料や他行宛振込手数料の費用が安く抑えられていることが分かります。また、円普通預金や円定期預金は標準的ですが、SBIハイブリット預金を利用することで普通金利はアップするのでお得です。
楽天証券とSBI証券どちらで開設する?それぞれのサービス内容を比較
住信SBIネット銀行の利用に向いている人
住信SBI銀行に向いている人の特徴について3点ほど解説します。
メインバンクを変えずに振込手数料などを節約したい人
給与振込口座やメインバンクは変更できないが、口座間でお金を入出金するのにできる限り手数料を節約したい人にとって住信SBIネット銀行はおすすめです。定額自動振込や定額自動入金サービスを利用すると住信SBIネット銀行側への入金は無料で済み出金や振り込みは月数回無料となります。
目的別貯金で計画的な貯金をしたい人
目的別貯金は、預けておく期間や目的の違うお金をきちんと分けて管理できるので将来に備えて長期的に置いておきたいお金を使いこむ心配もなくなります。これまで計画的な貯金がうまくいかずに悩んでいる人にとって目的別貯金の活用はメリットがかなり大きいでしょう。
他行への振込回数が多い人
他行への振込回数が多い人は、住信SBIネット銀行を利用することで最大月15回まで無料です。無料回数消化の後も振込手数料は157円と安いため振込手数料をかなり節約できるでしょう。定額自動振込を利用できる部分は活用すると手動で振り込む手間も省けます。
使ってわかる便利な機能を実感
住信SBIネット銀行は、達成しやすい優遇プログラムの条件をうまく活用することで手数料の節約や振込・振替にかかる手間を削減できる便利なネット銀行です。これまで貯金がなかなかうまくいかなかった人は、目的別貯金を利用することで目標額までの貯金を達成しやすくなります。使ってみて初めて便利だと分かる機能も多いので興味の出た人はぜひ口座開設を検討してみてくださいね。
文・藤森みすず/fuelle
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