2020年5月26日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
米中は、中国、香港、ウイグルなどの人権問題、コロナ責任、通商問題など、引き続きさまざまな問題を抱えている。米国経済の悪化も進んでおり、次回6月に発表される5月分の米国雇用統計でも失業率は20%を超えてくるのではないかと思っている。そういった状況下で、これまでトランプ米大統領の再選を確かにしてくれた株高が消えてしまったため、トランプ氏にしてみれば、中国は憎き存在だ。よって米中問題は、依然、片付く兆しが見えない。そのため、本来であればリスクオンはしづらい状況なのだが、コロナ問題が少し落ち着いたら、マーケットは期待感を持って株を買う動きになるだろう。それにより株価堅調、ドル堅調という流れになりそうだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の米ドル/円予想レンジは106.50~108.50円。強い上昇要因はないのだが、レンジの中で上を試しに行く週になる気がしている。そう思う理由は2つあり、1つは売っても下がらないため、マーケットがショートになっていると判断したこと。そしてもう1つは、本来106円台で買いたいのに、106円台まで下がらないことによる本邦機関投資家のビッドアップが考えられることだ。戦略的には押し目買いから入りたい。107円近辺が底堅いため、106円台後半から107.20円以下で押しがあれば買って、108.10円超えでストップが跳ねたところで利食うロング回転のイメージ。108.10~108.30円付近に上値抵抗線があるが、それを抜ければ108.50円くらいまで跳ねるとみている。ただ、109円まで行くイメージはないので、ロングをとっても108円のミドル以下ではきっちり利食いをしていきたい。
小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。