東京株式市場で7日、富士フイルムホールディングス株が急伸した。6日の終値3499.5円からプラス95.5円の3595円とし、3日続伸。さらに2日連続で年初来高値を更新した。前日、グループ会社の富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬がエボラ出血熱の治療に効果があるというフランス政府の動きに市場が反応したとみられる。

フランスでは富士化学工業が開発したインフルエンザ治療薬『アビガン』を、エボラ出血熱に感染したフランス人女性看護師に投与。すると順調に回復し、退院に至ったため、同薬がエボラ出血熱に効果的だとして注目を集めていた。

『アビガン』はウイルスの細胞内での遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐという新しいメカニズムを有する薬剤だ。鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)及びA(H7N9)等に対する抗ウイルス作用が期待されていて、実験動物レベルではすでに効果が確認されている。この新メカニズムを使用可能な状況にしておくことは意義があると判断され、世界に先駆けて国内で承認を受けている。

富士フイルムと富山化学工業は、引き続き、当該薬事当局、関係国際機関、ウイルス感染症専門医などと連携しアビガン錠をエボラ出血熱患者の治療に活用する可能性について検討していくため、今後も動向に注目が集まりそうだ。

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