医療用大麻の需要拡大が後押しし、世界の合法大麻市場は2027年までに736 億ドル(約7兆9211億円)規模に成長すると予想されている。

大麻が合法化されていない日本のような国では、「大麻=犯罪」などネガティブなイメージが根深いが、合法大麻の実態や背景への理解を深めることで、投資トレンドやチャンスの発見につながるのではないだろうか。

なぜ大麻が合法なのか?

大麻の合法化は、医療(Medicinal Marijuana)と娯楽(Recreational Marijuana)の二つに分かれており、一部の国・地域では医療のみ、娯楽のみ、あるいは両方の目的での使用が許可されている。

2013年、大麻の闇取引や取引組織間の抗争対策として、世界で最初に娯楽目的の大麻合法化を発表したのはウルグアイ だ。こうした動きは、「合法化することで大麻絡みの犯罪を軽減すると同時に、大麻による精神へのリラックス効果が犯罪の減少につながる」との期待に基づくものである。

現在はオランダやカナダ、ジャマイカ、スイス、ポルトガル、米国の一部の州 (コロラド州やワシントン州)などでも、娯楽目的で大麻を合法的に使用することができる。売買や栽培、一度に購入可能な量などの規制は、国や地域によって異なる。

Ziyuuichi Tomowo/PIXTA/ZUU online
(画像=Ziyuuichi Tomowo/PIXTA/ZUU online)

医療用大麻とは?

娯楽目的の使用には消極的だが、アルツハイマーや癲癇(てんかん)、クローン病、がん、緑内障、統合失調症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など、広範囲な医療目的で合法化している国や州も多い。

医療用大麻国である米国では コロラド州やワシントン州、マサチューセッツ州、ミズーリ州では娯楽目的の大麻使用が合法化されているが、フロリダ州やルイジアナ州では医療目的しか認められていない。

医療用大麻の取得手段は国・地域によってさまざまだが、米国では医師からの書面による許可 が必要となる。2020年5月の時点で米食品医薬品局(FDA)に承認されている医療用大麻 は、主に吐き気と嘔吐(おうと)の治療に使われる「ドロナビノール」と「ナビロン」、レノックスガストー症候群とドラベット症候群の治療薬である「エピジオレックス」がある。