20年6月24日のアメリカは新型コロナウイルスの感染が大きく拡大し、株価も下げました。

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6月に入ってから11日、24日と2日ほど感染拡大のニュースで株価を下げる日がありましたが、これから察するにまだ市場は感染再拡大の悪影響を織り込んでいないのだろうと思います。

面倒なのは、おそらく第2波のほうが感染規模が大きくなりそうなことです。

歴史を振り返るとSARSは第2波のほうが感染規模が大きかったのですが、株価も第1波よりも第2波到来時のほうが大きな下げを記録しました。

SARSの時と同じ動きをするなら、これから米国株は3月23日の安値を超えて下落する恐れがあります。

この記事のポイント

  • アメリカの感染規模は拡大を続け、過去2番目に大きな新規感染者数を記録した。
  • 現時点でアメリカでは都市封鎖などの感染拡大防止策を積極にやっていないので、まもなく新規感染者は4月のピーク時を超える見込み。
  • SARSの感染拡大時も第2波のほうが感染拡大規模が大きかったが、株価は第2波で大底をつけた。
  • SARSの時と同じような動きをするなら、米国株はこれから3月23日の底値を超えて安値をつける恐れがある。

過去2番目に大きな感染者数

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6月24日のアメリカでの新規感染者数は3.8万人で、過去2番目に大きな規模を記録しました。

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過去2番目に大きな新規感染者数を記録したアメリカ(画像=Investing.com)

先日の別の記事でもアメリカの感染再拡大は4月のピークを超えると言ってきましたが、いよいよ現実味を帯びてきました。

4月は全米で都市封鎖をしている状態でも感染者数が伸びて3.9万人の感染者がピークとなりましたが、6月現在は4月当時のような厳しい感染拡大防止策がまだ実施されていない状態でピークに迫っているので、やはり感染第2波が第1波を超えるのは確実のようです。

2003年SARSの株価変動

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過去の感染症の流行を見てると、第2波のほうが規模が大きいものは珍しくありません。2002-2003年に流行したSARSでも、わずかに第2波のほうが規模が大きかったです。

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SARS流行時の香港株(灰線:新規感染者数、青線:株価)(画像=Investing.com)

上の図で注目のポイントは、感染規模が大きかった第2波のほうが、株価の下落も大きかったことです。第1波が来たときの底値を超えて、第2波で大きな下落を経験しています。

感染規模が大きいほうが、経済的なインパクトも大きいはずなので、第2波の規模が大きければ株価も第1波の底値を超えて下落するのは、自然な動きかも知れません。

投資行動について

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個人的には、これから米国株が3月23日の底値を下回ると断定できる自信はまだないです。

ただ「アメリカでの第2波はほぼ間違いなく第1波より感染規模が大きくなること」、「規模が大きな第2波が来たSARSでは、第2波のピークで株価が底をつけたこと」の2つを組み合わせると、これから米国株が3月の底値を下回る恐れはあります。

いずれにしても先が見通しにくいので、今後の株価は上昇(たとえばワクチン開発成功の株価上昇)も下落もどちらもある前提で、バランスを取りながら投資したいと思っています。

具体的には私はもともと感染第2波が来ることも見越して一部現金を残していますが、その現金の規模は十分か検討したいと思います。

検討中の選択肢

  • (A)手持ちの株は売らずに保有。もし今後株が大きく下がった場合には、わずかな手持ちの現金で株を追加購入。
  • (B)第2波が本格的に来る前に株を一部売却。手持ちの現金を増やして、株価が下落したら買える状態で待機。

基本的には、第2波がきても数年かけてアメリカは新型コロナウイルスを克服し、将来的には今よりも株高になると思っています。なので、既に保有している株は全く売らないというスタンスが(A)です。

一方、4月以降に上昇した一部の株を売って現金を用意し、下落をチャンスに変えようとするのが(B)です。この場合でも、ワクチン開発の株高などにも乗れるようにあまり大きな規模の売却は考えていなく、調整程度のものになると思います。(提供:Investing.comより)

著者:YUTA